music supli 小咄編商品情報

小咄と聞くと大衆芸能だからと、知らない人ほどバカにするかもしれないがよくよく調べてみると実はもの凄い効果が隠れていたのである。1970年代に体の中に腫瘍細胞やウィルス感染細胞があると、攻撃する特性のあるリンパ球細胞が発見された。この細胞は生まれながらに悪い細胞を攻撃する能力を持っているためナチュラルキラー細胞、通称NK細胞と呼ばれている。つまりこのNK細胞が活性化すれば免疫が高まり健康になるということが言えるのである。最近このNK細胞が笑うことによって活性化することが様々な実験から解明されてきている。笑う角には福来たるとは言い得て妙で、笑っていれば健康になれるということになる。しかし小咄を聞いて笑うためには必要なものがある。それがボキャブラリーと発想の転換だ。特に駄洒落は聴き手のボキャブラリーと即座にマッチングして、関連性があったり、逆に全く関連性がなかったり、あるいは全く別の意味になったりという特徴を見いだし発想を転換させてそのギャップで笑う。つまり聴き手にも高度なインテリジェンスを要求する高度なことばあそびである。音響学的な側面からは、噺家の軽妙な語り口に注目する点がある。冒頭部ではゆっくり話し、間を多めに取っているのだが、段々スピードアップしていく。近年話速をアップすることにより右脳が活性化するとの報告もあり、小咄で脳と体をリフレッシュさせることが出来ると言える。
日本音響研究所 所長　鈴木松美