有田正広
1972年、桐朋学園大学を首席で卒業。同年、第40回NHK・毎日音楽コンクール(現・日本音楽コンクール)で第1位を獲得。翌年、ベルギーのブリュッセル王立音楽院に留学。74年からはコレギウム・アウレウムのメンバーとして、ヨーロッパ、日本などで活動。75年、ブリュッセル王立音楽院をプルミエ・プリで卒業。同年、ブルージュ国際音楽コンクールのフラウト・トラヴェルソ部門で第1位となる。77年、オランダのデン・ハーグ王立音楽院に入学、半年で最高栄誉賞つきソリスト・ディプロマを得て、卒業。帰国後も、フランス・ブリュッヘン指揮「18世紀オーケストラ」、クイケン兄弟、トレヴァー・ピノック指揮「イングリッシュ・コンサート」など、内外の名手たちとも盛んに共演。ルネサンスから現代に至る400年間に変遷を遂げたさまざまなフルートを駆使する演奏は、有田ならではのもので、さまざまな時代の作品に輝かしい光を与え、人々を魅了しつづけるアーティストとして高い評価を得ている。
1989年には「東京バッハ・モーツアルト・オーケストラ」を結成。指揮者として結成記念公演を行い、絶賛された。2006年にはモーツァルト生誕250年を記念し、モーツァルトのフルートとオーケストラのための作品全5曲を自身の指揮と演奏により一晩で演奏するという快挙を成し遂げ、話題を呼んだ。09年には同オーケストラを更に発展させ、ロマン派をレパートリーとする日本初のオリジナル楽器によるオーケストラ「クラシカル・プレイヤーズ東京」を結成。古楽器と現代楽器の枠を超えた新たな音楽的創造の領域へとさらに活動の場を広げている。
録音は「ドイツ・バロックのフルート」(レコード・アカデミー賞2部門と文化庁芸術作品賞)などアルヒーフ、DENONアリアーレ、avex-CLASSICSからリリース多数。
第21回サントリー音楽賞受賞。桐朋学園大学特任教授。