女優/アーティスト・のんが作曲家・武満徹の最晩年の傑作オーケストラ作品「系図」の語り手を担当
『BEYOND THE STANDARD Vol.2』10/24発売決定!
日本コロムビアのDENONレーベルで2018年4月からスタートした、イタリア出身の若き天才指揮者アンドレア・バッティストーニと東京フィルハーモニー交響楽団によるレコーディング・プロジェクト「BEYOND THE STANDARD」。クラシック王道の名曲中の名曲と、日本人作曲家による傑作をカップリングし、時代と国を越え、新たなスタンダードとして打ち出すシリーズの第2弾は、チャイコフスキーの晩年の代表作、交響曲「悲愴」と、日本を代表する作曲家、武満徹の同じく最晩年の傑作である「系図」をカップリング。
「悲愴」は、バッティストーニにとって、キャリアの最初から繰り返し取り上げ、入念な研究も重ねた、大切なレパートリーであり、これまでのライブでの成果も踏まえた明確なビジョンをもって、この録音に臨みました。数多の名録音が残されてきた「悲愴」ですが、録音のクオリティも含め、そのページに、確実に新たな成果として刻まれる、名演の誕生と言えるでしょう。
そして日本を代表する作曲家:武満徹が最晩年に残した、音楽と語りによる美しい音楽詩「系図(Family Tree)」。谷川俊太郎のテキストを語るのは、映画『この世界の片隅に』でヒロインの声優を務めて、その天才的な感情表現が好評を博した女優・アーティスト:のん。彼女は、谷川俊太郎が詩に表した、現代の家族の不思議なリアリティと、武満の精妙なオーケストレーションを感じながら、時空を超えた存在感で語り、決定的とも言える演奏を生み出しました。
「悲愴」と「系図」。ほぼ100年の時を隔てて、どちらも作曲家の最晩年に書かれた名曲の組合せは、「死」と「永遠性」という普遍のテーマをあぶりだし、「系図」のむすびで語られる詩「どこからか うみのにおいがしてくる
でもわたしはきっと うみよりももっととおくへいける」に、のんが込めた感情は、その音楽と相まって「希望」と「救済」の意志を強く聴く者の心に感じさせてやみません。
この度、武満徹さんの曲に流れる谷川俊太郎さんの詩を読ませていただくという役をいただき、心から嬉しく思っています。
バッティストーニさんの指揮のもと、東京フィルハーモニー交響楽団の皆様とのレコーディングは、とてつもない緊張を感じる中ではありましたが、美しい演奏と詩が一つになっていくのを体験できる貴重な時間を過ごさせていただきました。系図 family tree、キラキラと輝く音の中に落ちる不穏な裂け目は、不思議と胸に染み渡って希望を見出す。素敵な曲に参加できて、素晴らしいオーケストラの皆様バッティストーニさんとご一緒できて、本当に楽しかったです。沢山の方のもとに届く事を願って。のん |
BEYOND THE STANDARD vol.2
チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」
武満徹:系図−若い人たちのための音楽詩−
2018/10/24発売
UHQ-CD:COCQ-85441 ¥3,000+税
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調 作品74「悲愴」
Peter Ilyich Tchaikovsky : Symphony No.6 in h moll, Op.74 "Pathétique"
01. 第1楽章 Adagio - Allegro non troppo
02. 第2楽章 Allegro con grazia
03. 第3楽章 Allegro molto vivace
04. 第4楽章 Finale. Adagio lamentoso - Andante - Andante non tanto
武満徹:系図−若い人たちのための音楽詩− * 詩:谷川俊太郎
Toru Takemitsu : Family Tree - Musical Verses for Young People-
05. むかしむかし ONCE UPON A TIME
06. おじいちゃん GRANDPA
07. おばあちゃん GRANDMA
08. おとうさん DAD
09. おかあさん MOM
10. とおく A DISTANT PLACE
アンドレア・バッティストーニ指揮 /東京フィルハーモニー交響楽団
*語り:のん
【録音】2018年5月21-22日 東京オペラシティ コンサートホール