リーダーのBENOITはデビュー当時から「ロバート・ワイアットの再来!」と絶賛される逸材で、先鋭的なBEDサウンドを牽引する、インテリジェンスなヴィジョンを持つ奇才である。Bedの楽曲には実に様々な〈アート・ロックの遺産〉が彼によりコラージュされているが、それはまるで素晴らしいポートフォリオのようであり、玩具で遊ぶ子供の様に自由かつ斬新にサウンドを構築していくのである。
もう1人の中心人物であるJEANは、フランス音楽界を代表する音楽家ヤン・ティルセンと活動を共にする敏腕ドラマーである。ヤン・ティルセンと言えば、映画『アメリ』のサントラや2005年に開催された『愛・地球博』でのライヴなどで日本でもすっかりお馴染みだが、彼の繊細な楽曲にはJEANのドラムが必要不可欠なのだ。
そしてメンバーそれぞれのパートをご覧頂ければ分かる通り、このバンドにはなんとドラム3人もいる。これは非常勤的に参加と言うわけではなく、固定メンバーで3人なのだ。日本のルインズを例に見るまでもなく、ドラムとベースが中心のバンドは間違いなくどこも一筋縄ではいかない。