古賀政男先生の直弟子で、先生とご一緒に「歌謡舞踊」というジャンルを作られた江河愛司さんが芸道70年を迎える。
米寿、88歳である。何しろお元気。
私の事務所の3階までいつも階段を駈け上ってくる。
その若さの秘訣はどこにあるのか?
声の張りや節回しも昔より年輪を増してすこぶる素晴らしい。
江河さんと記念曲の話になったとき、「ここ何十年もなかったような日本調の曲をつくってほしい」と依頼された。
私も四十数年、曲をかいてきているが、昭和初期の高田浩吉や東海林太郎を感じさせる曲を作ったのは初めてだ。四行詩も初体験だった。
「ぱっと咲いたら散るのも早い 遅咲きならばほんまもん…」は、まさしく江河さんをイメージしたものだ。 永い芸道をひたすら歩んできた江河さんの真骨頂なのである。 日本の美と情緒を感じさせる「名人・江河愛司」の花が咲く。 |