福田進一インフォメーション
架空の映画音楽「幸福の硬貨」を作曲して 「マチネの終わりに」に登場する洋子の父ソリッチ監督の代表作「幸福の硬貨」のテーマ曲は、誰もが一度は耳にしたことのある、またギタリストにとっての大切な曲、という設定です。 そして何より蒔野と洋子を繋ぐ重要な鍵となるこの曲は、物語の中で大きな存在感を放っているだけに、とても繊細なものをひとつずつ大事に積み上げていくような気持ちで作曲に臨みました。 ただ美しいというだけではなく、この物語全体をそして蒔野と洋子を優しく見守っているような、温かく包み込むような楽曲でありたい、そう思って作曲しました。 何度も読み返しながら物語の世界に身を置き、耳を澄ませて聴こえてきた旋律を紡いで行くという作業は、なんだか蒔野や洋子やソリッチと会話しているような気分でした。 福田進一さんには奏法や運指など、ギター楽曲を作曲するにあたってたくさんのアドバイスをいただきました。世界的ギタリストであり音楽家にとって憧れの存在である福田さんから貴重なご助言を受けながら楽曲を完成できたことは、本当に幸せな経験となりました。 レコーディングスタジオで初めて「幸福の硬貨」を演奏していただいた時は、「マチネの終わりに」の様々なシーンが思い起こされ、蒔野が目の前にいるのではないかという錯覚に陥るほど感激しました! 本CDには「ジャリーラとのシーン」と「物語最後のシーンでの演奏」の2つのバージョンが収録されています。それぞれのシーンをイメージして福田さんに演奏していただきましたので、その辺りも感じながら聴いていただけると嬉しく思います。 マチネファンの皆さまにとって、きっととても大切な曲である「幸福の硬貨」。ぜひ皆さまの心に寄り添えるような一曲になることを願っています。 |