喜多郎のアメリカ・デビューは「天空 (Tenku)」(1986)。「ザ・ライト・オブ・ザ・スピリット (The Light Of The Spirit)」 (1987)ではグレイトフル・デッドのドラマー、ミッキー・ハートと共作し、初のグラミー賞ノミネート、アメリカ国内だけで2百万枚以上のセールスを記録と同時に初の全米ツアーを実施。
「ドリーム (Dream)」(1992)ではイエスのジョン・アンダーソンと共作、これも大ヒットを記録、傑作と評された。翌年、オリバー・ストーン監督の映画「天と地 (Heaven & Earth)」の音楽を担当しゴールデン・グローブ賞ベスト・オリジナル・スコア部門を受賞。
グラミー賞にノミネートされた「マンダラ (Mandala)」(1994)をはじめとして、ライブ録音「天空への響き Live in USA (An Enchanted Evening)」(1995)、深い精神世界を映し出した「ガイア・オンバシラ (Gaia Onbashira)」(1998)、ドキュメンタリー番組「四大文明」のサウンドトラックでグラミー賞にもノミネートされた「エンシェント (Ancient)」(2001)とその続編ともいうべき「永遠の時を (Ancient Journey)」(2002)。さらにグラミー賞ニューエイジ・アルバム部門を受賞した「Thinking of You」(2000)など、喜多郎は精力的に作品をリリースし続けている。
2003年リリース「空海の旅 (Sacred Journey of Ku-kai)」は平和をテーマとしたコンセプト・シリーズの幕開けであり、この作品から喜多郎の平和への祈りは新たなる極みへの第一歩を踏み出した。
また、このシリーズは空海(弘法大師)が千年以上の昔にはじめたといわれる「四国遍路八十八ヶ所」をテーマとしており、アルバム収録の各曲には喜多郎自身が録音したひとつひとつの寺院の鐘の音が織り込まれている。
そして「空海の旅2(Sacred Journey of Ku-Kai2)」は、第48回グラミー賞にノミネートされており、喜多郎は日本人として快挙となる11度目のノミネ-ションをとげた。