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伝説的なシャンソン喫茶「銀巴里」でのプロデビューから40周年。
“愛に何ができるのか”を問いかけるジャック・ブレルの名曲「愛しかない時」をクミコの訳詞で。
カップリングには菅原洋一とのデュエット「今日でお別れ」を収録。
クミコ コメント シャンソンの右も左もわからぬまま、私は40年前「銀巴里」で歌い始めました。 そんな私が、初めて自分の言葉で唄いたいと思ったのが「愛しかない時」でした。 当時、来日していたアンナ・プリュクナルという女性のコンサートに出かけたのがきっかけです。 ナチスからの迫害の歴史を持つポーランドに生まれ、自身の父親もまたナチスによって殺されたアンナの歌には、どれもが理不尽への怒りと悲しみに満ちていました。 その時唄われたのが「愛しかない時」。 胸元に歌の切っ先が突きつけられたようでした。 私も唄いたい、唄わなければと思いました。愛ってなんだ、愛に何ができる。 今年初め、この歌を新たにリリースすることにしました。 自分の歌の原点の一つでもあるこの歌を、今の歌として残したいと思ったからです。 ところが、突然ロシアのウクライナ侵攻が始まりました。現実が歌を飛び越えてしまったのです。 ウクライナに知人を持つ私に、もうそれまでの平穏はなくなりました。 歌などに何の意味がある、愛ってなんだ。 こうして、この歌はまた40年前の振り出しに戻りました。 でも、録音された歌は、確かに今の私の歌でした。 今私が見ている世界と、愛についての歌になっていました。 今回、私が敬愛し尊敬する菅原洋一さんと、デュエットをさせていただきました。 名曲「今日でお別れ」です。 人はどんなふうに歌を唄い、人生を歩いていくのか、いけるのか。 歌い手の根元を、歌声で指し示してくださる菅原さんとご一緒できたことが、無力感にさいなまれる私の大きな救いになりました。 この二曲を、今録音できたことには、きっと意味があるのでしょう。 今ははっきりとはわからなくても、これからの時間がそれを明らかにしてくれるはずです。 愛ってなんだ、歌ってなんだ、人間ってなんだというその答えを。 |
菅原洋一 コメント 40周年おめでとうございます。 あなたの歌には強さがあります。あなたの歌にはやさしさがあります。そして祈りがあります。 先日、あなたの40周年記念のシングルに、一緒に「今日でお別れ」を歌わせてもらい、とてもうれしくいい記念になりました。そしてあなたの歌の強さ、やさしさ、祈りを改めて感じとりました。 私も8月で89才です。以前はいい声が出るから、その声を張り上げて遠くまで届くようにと思って歌っていました。けれど年齢を重ねるにつれ、だんだん声も出にくくなってゆくものです。声だけ張り上げるのではなく歌を届けるにはどうすればいいのだろうか? と考えてきました。たどり着いたのが、ひとことひとこと言葉を大切に心を込めて歌ってみようということでした。それが今の私の歌です。 クミコさん、あなたはその術(すべ)を知っている人です。 きっとこれから、より深くより細やかなあなたの歌は完成度を増してゆくでしょう。とても楽しみです。まだまだ40年は通過点…なのです。 「今日でお別れ」なんて言わないで、これからも一緒に歌う機会が多くなったらうれしいです。おめでとう。 |