クミコwith風街レビュー
1st Double A Side Single
「さみしいときは恋歌を歌って」
作詞:松本 隆 作曲:秦 基博 編曲:冨田恵一
「恋に落ちる」
作詞:松本 隆 作曲:永積 崇 編曲:冨田恵一
CD:COCA-17221 ¥1,204+税
2016/9/7発売
---
クミコという名前で唄うようになったのは、2000年のこと。松本 隆さんが全作詞をされた「AURA」というアルバムを発表した時だ。
この短い名前にすることで、再出発の意味を込めた。すべて、松本さんの提案だった。それから曲がりなりにも、唄ってきた。
一曲一曲と、水面に置き石をするように、選び唄ってきた。でも時々、自分がどこに立っているのか見えにくくなることもあった。
そうして今回。偉大な三人の手から極上の恋歌が生まれた。作詞が松本 隆さん、作曲が秦 基博さん、編曲が冨田恵一さん。
ああ、なんという幸せ。そういうわけで。残り時間の見えてきた、十分に大人の恋歌を、力まぬよう唄いたいと思うのです。
クミコ
「さみしいときは恋歌を歌って」 というラブソングを書こうと思ったのは、クミコという実力派シンガーに、もう一度「恋歌」という歌の 原点に戻って欲しかったから。
若い時は、恋をして普通にドキドキできたのに、大人になるとそういう機会も減るし、心も錆びて動かなくなってくる。
歌はいい潤滑油になる。当時まったく無名だったクミコさんと『AURA』という傑作アルバムを作ったのが16年前。
今は底の浅い歌ばかりが蔓延してるので、彼女なら深い歌を歌ってくれると期待しています。
作曲に人気シンガーソングライターの秦 基博を指名しました。彼のメロディーは非常にキャッチーで詞がつけやすかった。
デモを聴いた時、サビの詰め合わせみたいで、すごく良い曲だと思いました。
歌詞へのこだわりは、はっぴいえんど「朝」、冨田ラボ feat. ハナレグミ「眠りの森」に続く、『松本 隆・朝三部作』とも言える作品にしたかった。「朝」は若いカップルが初めて結ばれた朝。「眠りの森」は、生活の中で慣れあった恋人たちが愛を確認する朝。
「さみしいときは恋歌を歌って」は、身体を許してしまった女性の不安と期待の朝をイメージして作った。
前2作は男性目線だったけれど、今回は女性が主人公です。アレンジは信頼を寄せている冨田恵一に依頼して、とても上質で心地よい大人のポップスに仕上がった。
曲もサウンドも風街のDNAを持っている人たちと組みたいというテーマがあって。クミコと風街の織りなす世界を、あますことなく表現しようと思うので楽しんでもらえたら嬉しいです。
松本 隆
シンプルで穏やかだけど力強いもの。そんなことをイメージしながら、メロディを書かせて頂きました。
松本 隆さんの詞、冨田恵一さんのアレンジ。そしてクミコさんの歌声。
この素晴らしいポップスを織り成す一員になれて光栄です。
秦 基博