杏真理子
25歳の若さでこの世を去った『杏真理子』。
杏真理子の作品群には『さだめのように川は流れる』以外にも語り継いで戴きたいものが多数ある。『雪わり草』は藤本卓也作曲による「せつなさ」が美しい作品であり、『地下鉄のスー』は『さだめのように…』と作詩作曲が同一メンバーの重厚な作品である。どの曲も非常に力のこもった作品であるのだが、どれを聴けども「明るく晴れた空」は感じられない。「重く曇り、鈍く垂れこめる空」が感じられる。それこそが彼女最大の特筆すべき特徴であり、運命を予感させるものなのである。