中村滉己民唄 -TamiUta-

DISCOGRAPHY ディスコグラフィ

中村滉己

民唄 -TamiUta-

[ALBUM] 2024/05/22発売

民唄 -TamiUta-

COCQ-85612 ¥3,500 (税抜価格 ¥3,182)

  • 1.OVERTURE -AYUMI-
     作曲/中村滉己 編曲/井上一平

  • 2.ホーハイ節 -strings version-
     (青森県民謡) 編曲/中村滉己、井上一平

  • 3.津軽じょんから節 新節
     (青森県民謡)

  • 4.南部酒屋酛すり唄
     (岩手県民謡) 編曲/中村滉己、井上一平

  • 5.LABYRINTH -迷宮-
     作曲/中村滉己 編曲/中村滉己・井上一 平

  • 6.AYUMI -歩-
     作曲/中村滉己

  • 7.CATHARSIS -解放-
     作曲/中村滉己 編曲/中村滉己、井上一平

  • 8.SHIMEI -糸命-
     作曲/中村滉己

  • 9.春の海 -六弦version-
     作曲/宮城道雄 編曲/中村卓也

  • 10.津軽よされ節
     (青森県民謡)

  • 11.津軽三下り
     (青森県民謡)

  • 12.秋田荷方節
     (秋田県民謡)

  • 13.流れ星
     作詞・作曲/妹尾武 編曲/井上一平

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2.ホーハイ節(青森県民謡) *
4.南部酒屋酛すり唄(岩手県民謡) *
10.津軽よされ節(青森県民謡) * **
11.津軽三下り(青森県民謡) * **

中村滉己 三味線、太鼓**、歌*
Koki Nakamura Shamisen, Taiko**, Vocal*


和のエンタテインメントをアップデートする新星登場――
民謡の伝統を受け継ぎ、新たなる民の唄として進化させる革新者

2003年生まれ。14歳で津軽三味線全国大会個人最⾼峰部門史上最年少優勝を果たした、期待の津軽三味線奏者・民謡歌⼿。若い新たな感性で、既成概念にとどまらない和楽器の新しいエンタテインメントを牽引する中村滉己。
配信リリースを重ねて初めて世に放つフルアルバムは、彼が2歳から馴染み学んできた三味線と民謡の伝統を世界から、それをベースに様々な音楽的要素を融合させた進化形、そして彼が考える新しい民謡=民唄まで、20歳の中村滉己の音楽を凝縮した作品です。
「中村滉己ワールド」の出現

 21世紀生まれ、ブロンド・ヘアが揺れ、耳にはピアスの煌めく現役大学生が、実は少年時代から数々の「日本一」に輝いてきた実力派の民謡演奏家だといったら、まさか、と驚かれる方もいらっしゃるかも知れない。あるいは、彼のライヴ・コンサートに足を運ばれたことがあるか、配信動画などで彼の演奏に接されて、この新時代の民謡演奏家の力量をよくご存じの方も多いのではなかろうか。どちらの方にもぜひお聴きいただきたいのが、中村滉己のこの本格デビュー・アルバムだ。中村はすでに配信EPとして、2023年4月21日に3曲収載の『歩 -AYUMI-」を、同年11月17日、20歳の誕生日に2曲収載の『Labyrinth-迷宮-』をリリースしているが、このほど、これまでの集大成として、伝統民謡、自作を含め堂々13曲を収めた本格デビュー・アルバムをレコーディングし、ここに完成させた。
 試聴盤をさっそく拝聴してみての最大の実感は、収録作13曲を通して聴いたことによって、中村滉己という演奏家の芸の世界がくっきりと浮かび上がってきた、ということだ。
もちろん、個々の曲それぞれも、曲本来の魅力に彼ならではの音色と節回し、聴き手の脈拍にも心地よく適う間合い、抜きんでた演奏技術が加味されてさらに味わい深いものになっているので、まことにおもしろく耳を傾けたが、それらがトータルとして一つの像を結ぶさまこそ、このアルバムの醍醐味であると痛感したのである。それが意味するものは、単に彼の芸域の広さばかりではない。次々と現れる多彩なスタイルの陰に、彼の今日までのたゆまざる修行と研鑽があり、自身の分身ともいうべき三味線への深い愛があり、世界に広く見開かれた目がある。その目の先に、伝統音楽である津軽民謡に他の音楽の要素も採り入れ、年齢、性別、国籍を問わない幅広い聴き手の耳に適合する、グローバルな音楽としての民謡を実現しようとする、強い創造志向があり、果敢なチャレンジ精神がある。そして、生みの苦しみを支える、何があっても挫けない人並外れた負けじ魂がある。それらすべての発露の結果として、このアルバムは、これまでのEP配信を超越した、燦然と輝く「中村滉己ワールド」をなした。そのことに感銘を受けたのである。
 このアルバムを手に取られ、プレイヤーにかけられた方々も、きっとそう感じてくださるであろう。そしてますます、「中村滉己ワールド」の深みに嵌っていかれるのではなかろうか。その魔力が、このアルバムには宿っている。

音楽評論家 萩谷由喜子
『流れ星』に寄せて

「たくさんの愛をありがとう。」
幾星霜を経ていつの日かお祖父ちゃんを超えて遥か空を見上げながら弾き歌う。
そんな壮大な中村さんをイメージして書き上げました。
春夏秋冬、この国に生まれ、さりげない日々。
いつもどこかで誰かに守られて生きている。
日々のささやかな幸せは目に見えぬ遠くからの誰かの願い。
それでも明日何が起こるかわからないから今この一瞬を大切にしたい。
先日、草月ホールにて初めて中村さんの若さ溢れる凜としたまっすぐな姿を拝見して熱い想い迸るままに創りました。我ながら良いものに仕上がったのではないかと思っております。
この曲は僕からの中村さんへのエールでもあります。
たくさんの人達に想いが届きますように。

2024年1月31日 妹尾 武