ブルックナー:交響曲 第8番 ハ短調
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ 指揮
読売日本交響楽団
ライヴ録音:2010年3月25日
東京オペラシティ、コンサートホール
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読売日本交響楽団の第8代常任指揮者としての最後のプログラムとなった、ブルックナーの第8。その3月25日のライヴ録音がついにディスクになりました。
最高の評価を得た前作の第9すら眼下に見えるほどの、この世のものとも思えない高みに達した演奏に、どれだけの聴衆が涙したことでしょう。その中には、ブルックナーにかけては殊の外厳しい審美眼を注ぐ、海千山千の評論家やプレス関係者も含まれています。この、まさに音楽の世界遺産といっても過言ではない演奏を、ベスト・チューニングされたサラウンドと高音質2チャンネルのSACDで、会場で聞き逃した多くのファンにお届けできるのは、発売日翌々日に創立100周年の日を迎えるコロムビアにとって大きな喜びです。
この演奏が偉大なのは、名演とされるブルックナー演奏に比較的多く聴かれる、神秘性や腹芸を旨とするのではなく、贅肉をそぎ落とした非常にタイトで若々しささえ感じさせる外装の下に、作曲家でもあるミスターSならではの、細部に至るまでの克明な彫刻と、全体を鳥瞰する何段階ものパースペクティヴとが稀有な同居を果たしているからでしょう。