作曲家との魂の交感を深化させ、稀有のシューベルト弾きとの評価をより強固なものにした第2弾。
94年初出の21番のソナタが世界的な評価を獲得し、続編への期待が高まったところで、田部は交通事故のため一時活動の中断を余儀なくされます。それがシューベルト後期のような心の音楽を掘り下げる糧となったのか、97年春の復帰後の彼女は芸術家として大きな深化を遂げていました。作曲家晩年の年齢に近づいた田部が、その魂と虚心坦懐に向き合い、本質を汲み取ろうとしている姿勢を、自身のライナーから知ることができます。