田部京子は国内はもとより海外のオーケストラとの共演を重ねるなど、すでに国際的ピアニストへの道を着実に歩んでいる。常に新鮮で清冽な余韻を残す鮮烈な演奏は数多くのファンを魅了し、コンサートばかりでなくCDでも根強い支持を集めている。
北海道室蘭市生まれ。4歳よりピアノを始め、故田中希代子氏に認められ指導を受ける。
東京芸術大学附属音楽高校入学後、田村宏氏に師事。高校在学中、第53回日本音楽コンクールに最年少で第1位に輝き注目を集めた。東京芸術大学に進学後、文 化庁派遣芸術家在外研修員としてベルリン芸術大学に留学、クラウス・ヘルビッヒ氏に師事。エピナール国際ピアノコンクール第1位、シュナーベルコンクール 第1位、ミュンヘン国際音楽コンクール(ARD)第3位、ショパン国際ピアノコンクール最優秀演奏賞など、輝かしい成績を収めている。
これまでに、バイエルン放送響、モスクワフィル、ワルシャワフィル、バルセロナ市立管、ポーランド放送響、バンベルグ響、サンノゼ響、リンツ・ブルックナー 管、ローザンヌ室内管、ヴュルテンベルグ室内管、マンチェスターカメラータ室内管、フランツ・リスト室内管、ウイーン木管アンサンブル、カルミナ四重奏団 ほか多数共演。また、アルバン・ベルク四重奏団などから共演者として指名されるなど、世界のトップアーティストからも厚い信頼をよせられている。
1997年にはカーネギーホール主催によりワイル・リサイタルホールでニューヨークデビューを飾っている。
国内でのリサイタルや主要オーケストラとの共演も多数、常に高い評価を受けている。レコーディング活動も活発で、DENON、CHANDOS(英)より合わ せて20枚以上がリリースされている。シューベルトのソナタ集の録音は、いずれも各方面から絶賛されており、日本を代表するシューベルト弾きとしても注目 を集めている。その他メンデルスゾーン「無言歌集」、吉松隆「プレイアデス舞曲集」、同ピアノ協奏曲「メモ・フローラ」、シベリウス、ドビュッシー、グリーグの各作品集なども多くの話題を集めており、アメリカのステレオレビュー、イギリスのBBCミュージックマガジン、グラムフォン、ドイツのフォノフォ ルム各誌でも絶賛されている。これまでに、村松賞(音楽部門大賞)、第4回新日鉄音楽賞などを受賞。
現在、日本を代表するピアニストの一人として幅広く活躍している。