寺神戸亮プロフィール

PROFILEプロフィール

寺神戸亮

寺神戸亮

1961年生まれ。桐朋学園大学に学び、在学中の83年に日本音楽コンクール・ヴァイオリン部門で第3位入賞、84年同大学を首席で卒業すると同時に東京フィルハーモニー交響楽団にコンサートマスターとして入団、所謂モダン・ヴァイオリニストとしても将来を嘱望される存在だった。しかし、在学中より興味を抱いていたオリジナル楽器によるバロック演奏に専心するために86年に退団、オランダのデン・ハーグ王立音楽院に留学、シギスヴァルト・クイケンの下で研鑽を積む。同院在学中から演奏活動を始めると、直ちにその才能は広く認められる所となり、「レザール・フロリサン」「シャペル・ロワイヤル」「コレギウム・ヴォカーレ」などのヨーロッパを代表する古楽器アンサンブルのコンサートマスターを歴任、現在はシギスヴァルト・クイケンの絶大な信頼を得て「ラ・プティット・バンド」のコンサートマスターを務める。

日本でも91年「レザール・フロリサン」公演のリーダーぶり、92、94、97年の「クイケン・アンサンブル」公演での共演、自ら主宰する「トウキョウ・バロック」公演、93年10月初来日を果たしたシギスヴァルト・クイケン指揮「ラ・プティット・バンド」、そして鈴木雅明指揮「バッハ・コレギウム・ジャパン」のコンサートマスターとしての充実した仕事などアンサンブル・プレイヤーとして優れた資質を発揮している。

一方、ソリストとしての活躍も目覚ましく、欧州での「ラ・プティット・バンド」や「レザール・フロリサン」との数々のコンチェルト演奏やリサイタル、日本では鈴木雅明の「バッハ・コレギウム・ジャパン」や有田正広の「東京バッハ・モーツァルト・オーケストラ」との協奏曲で素晴らしい独奏を披露、また94年 2月と96年5月の『バロック・ヴァイオリン・リサイタル』は、各紙で絶賛を博している。

『第1回北とぴあ国際音楽祭 '95』において、パーセル《ダイドーとエネアス》で指揮者デビュー、96年の同フェスティバルでもラモー《ピグマリオン》を指揮、海外でも指揮活動を始めるなど、益々その活動の幅を拡げている。

録音も活発で、デンオン・アリアーレ・シリーズからルクレール《ヴァイオリン・ソナタ集》で初ソロCDをリリース以来、ヘンデル、ビーバーなどの録音を次々にリリース。特にコレッリ《ヴイオリン・ソナタ集》(95)、モーツァルト《ヴァイオリン協奏曲第3番、他》(96)はレコード・アカデミー賞を、バッハ《無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ》は芸術祭優秀作品賞(2000)を受賞するなど、いずれも好評を博している。