ヴィクトリア・ハート。忘れていたような素敵なロマンスの復活の伝道師、彼女の他に誰もいないだろう。ブロンドでとても女性らしく、ちょっと古風で・・・彼女自身が憧れていた女性達を知ればヴィクトリアがどんな女の子かわかるかもしれない。
ヴィクトリアはまだ弱冠18歳。 愛嬌があって、面白くって、男性が一目惚れしてしまうだけでなく、女性からも好かれるタイプ。そんな無垢で無邪気なビクトリアには信じられないようなワイルドでイケナイ別の一面が・・・それが彼女の秘密・・・
ビクトリアの歌は、実年齢からは想像できないような、よくできたヒネリが効いていて、冗談なのか本気なのか区別ができず、それがビクトリアの魅力に一部になっている。ちょうどエラ・フィッツジェラルドとかコール・ポーターの歌詞で多くあるような意味深な歌詞がキラキラとちりばめられているのだ。彼女は小悪魔なのか?無垢な天使なのか?それともただ単にからかってるだけなのか?ヴィクトリアは天性の才能で、敏感に感じ取った時代の感覚を表現している。コメディエンヌであり、女優で歌手であるヴィクトリアは現代のペギー・リー、マリリン・モンロー、ドリス・デイである。
ヴィクトリア・ハートは1988年アメリカはカリフォルニアに生まれ、5歳の時にイギリスに移った。12歳になるとフランスに引越し17歳で再びロンドンに戻る。旅好きな彼女は多くの国々を訪れ、様々な文化を吸収し3ヶ国語で歌えるまでになる。
2004年の夏、ヴィクトリアはフレンチリヴィエラにいた。15歳の彼女はフランス南東部にある軍港としても有名な町、ムージャンのインターナショナル・スクールに通い、歌う事と家族や友達を楽しませることが大好きで、学校が休みの間は、ちょっとしたパーティがあるとよく人前でジャズやブルースのスタンダードを披露していた。そんなある時、いつものようにカンヌ近郊で開催されたJAZZ PICNICというイベントに出演した際、「未完ではあるけれどもこんな印象的な歌声を耳にしたのは久しぶりだ」とForce M.D.'s等のヒット曲を生み出したGeoff Gurdが話しかけてきたのだ。その2週間後ヴィクトリアは数曲のレコーディングを行った。ヴィクトリアにとっては生まれて初めての体験だったが、Geoffはまるでヴェテラン歌手のようにこなしていたと言っている。この15歳の歌手と人生経験を積んで、酸いも甘いもかみ分けたプロデューサー・作曲家の音楽的な関係はこのような運命的な縁で生まれたのだった。それ以来2人で曲を書き上げ、周囲の人達の助けをかりプロの宣伝マンを雇い2007年にヴィクトリアのデビューアルバムを発売する事を決めた。
ヴィクトリアはアルバムには自己流にアレンジしたキンクスの名曲“SUNNY AFTERNOON / SUMMERTIME”は別にして古いスタンダードを現代風にアレンジした楽曲でなくオリジナル楽曲を入れる事を望んだ。全曲ヴィクトリアの為に書かれたか、もしくは彼女自身が書き上げた。歌詞はヴィクトリアの思考にあったちょっと不器用なロマンスの世界観に基づいていて、ポップス、ジャズ、スウィング、ブルースそしてサルサのリズムに乗せて歌っている。ヴィクトリアのユニークな音楽スタイルとたまらない彼女自身の魅力が多くの素晴らしいミュージシャンを惹きつけアルバム製作にかかわっている。 ピアノのNeil Drinkwaterはヴァン・モリソンのミュージック・ディレクターでドラムのPoul Robinsonはニーナ・シモーヌのドラマー、オルガンのGeraint Watkinsはポール・マッカートニーやMark Knopflerなど音楽界の大御所たちと演奏した経歴を持っている。そしてTHE KICK HORNSもエリック・クラプトンのワールド・ツアー終了後レコーディングに参加した。2006年の夏、日本でも人気のコッツウォルズになるレコーディングスタジオで行われたアルバムレコーディングには総勢21名のミュージシャンが参加。ヴィクトリアのボーカルコーチは数多くの舞台でも活躍している名シンガーVerona Chardが務め、主にヴォーカルのパフォーマンス手法を伝授した。その頃、ヴィクトリアは常に新しい事にチャレンジする“冒険”の日々であった。新しいオンライン商品であるFlirtomaticのTVコマーシャルに抜擢され、デビューアルバムにも収録されるChocolate and Strawberriesのスペシャル・クラブビート・ミックスをCMソングとして採用された。
ヴィクトリアはライブをやる事が大好き。どんな会場でも大きすぎたり小さすぎたりたりして苦労する事はない。ある時はロンドンのNaked Turtleというジャズ生演奏をするレストランバーにてウェイトレス兼シンガーとして楽しみながらお金を稼ぎ、またある時は2,000人の観客の前で歌ったりするからだ。ヴィクトリアはスタンダード曲“BLACK COFEE AND TOO DARN HOT”をストリングスでロックっぽく作り変えてしまうよな、楽曲に新しい生命を吹き込むことのできる自分自身のバックバンドを持っているが、同時にギター伴奏やピアノ伴奏だけで小さな会場で歌う事もできるのだ。