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定番の映画音楽からレア曲まで、多彩な選曲で多才なアレンジャー達と作り出したクロマチックハーモニカの魅力を再発見できるアルバム
山下 伶のメジャー5枚目の作品は「ムーンリバー」、「追憶」等の定番映画音楽の他に先日、生誕100年を迎えたピアソラの隠れた名曲「サンチャゴに雨が降る」、「モスラの歌」、「原始家族フリントストーン」等も収録し、巷に溢れる映画音楽集とは一線を画すアルバム。
今回は多才な5名のアレンジャーに、それぞれの編曲と楽器編成で、クロマチックハーモニカの魅力を十分に引き出して頂きました。
Fantastic Films 制作によせて 土谷龍祐(プロデューサー) 山下 伶、メジャー5作目となる「Fantastic Films」。今回はタイトル通り、映画音楽括りで選曲しました。 過去の多くの映画音楽コンピ盤に収録されている名曲だけに偏ることなく、レアな名曲もチョイスし、 個性豊かな5名のアレンジャーによって、クロマチックハーモニカの可能性を更に引き出して頂きました。 最近、過去の名作映画(洋邦問わず)のサウンドトラックを聴き漁っていると、ハーモニカの音が予期せずに飛び込んでくる事が多々あります。洋画ではエンニオ・モリコーネの「アンタッチャブル」のメインテーマ、邦画では「鬼龍院花子の生涯」、「スローなブギにしてくれ」等にもハーモニカが使われていました。 また、最近のドラマのサウンドトラックにもハーモニカがよく使われている気がします。 いつの時代にも、作曲家、編曲家に求められるハーモニカの音色ですが、その大半はエッセンス的に曲の中の一部に使われる事が多い様に感じます。トゥーツ・シールマンスが吹く「真夜中のカーボーイ」や「夜叉」は別ですが...。また、クロマチックハーモニカが使われていたアニメソングと言えば、大野雄二さん作曲のルパン三世セカンドシリーズのエンディング「愛のテーマ」があると思います。これも Aメロは クロマチックハーモニカですが、B メロからはストリングスです。なかなか全編ハーモニカで思い出される曲は多くないのかもしれません。 学校教育の現場からも姿を消して久しく、興味を示す若者も少なくなってしまったハーモニカ。クロマチックハーモニカがメインを張って、かっこいいと思われる楽器に育つには、山下 伶世代がもっともっと活躍しないといけない様です。昨年、ゲーム「ファイナルファンタジー III」の30周年記念にリリースされたアナログレコードの1曲を山下 伶が担当させて頂いたのは、期待が持てる新しい動きです。 余談が長くなりましたが、今作が、あらゆる音楽ファンに、メイン楽器としても十分に楽しめるクロマチックハーモニカの魅力を再確認して頂けるアルバムになっていれば幸いです。 |