(もともとコロムビアに所属のウエノコウジ。旧知の仲&知ってるスタッフも多数ということで、鼎談は大暴露大会に! これもまたコロムビア愛です!) ――ウエノはコータローさんとよく呑んでますよね。 ウエノ 「うん。そして呑んだ後、シメのラーメンよく奢ってもらいますね。池袋行ったら『よし、グッバイラーメン行こう!』って話になって『ウエノ、今池袋で一番ヒップなラーメン屋があるから連れてってやるよ』って、呑み屋の隣にある天一(註:天下一品)に入っていったんですよ」 加藤 「どメジャーじゃねぇか(笑)」 ウエノ 「奢られる側だから何も文句言えなかったですけど(笑)」 加藤 「お前はまだいいよ。ゴーイングの(松本)素生なんか、電車に乗せられてラーメン屋連れてかれて、ここでグッバイしよう、って出てきたのが不味くて、具を全部下に隠して出てきたって言うんだから(笑)」 ウエノ 「コータローさん、不味かったら決して食わないから。一口目で試し、二口目で不味いと思ったら三口目までは食べるけど、その先絶対食べないですからね」 加藤 「もう麺の下にシナチクやら何やら隠して沈めて」 古市 「それはマナーだから。それより一回、ウエノにカープうどん食わせてもらいたいんだよね」 加藤 「なに? カープうどんって」 ウエノ 「広島市民球場の名物なんですよ。俺は、広島市生まれ広島市育ちなんで、カープが今でも大好きなんで。その市民球場で食うカープうどんなるものがあるんですけど、美味かった思い出しかないんですよね。ミッシェルで広島前乗りした時、ちょうど野球の試合があって、みんなで行ったんですけど、俺が『カープうどんが美味いから、とにかく食ってくれ』って言って、みんなを並ばせて、うどんが出てくるの待ってたら、つゆが蛇口から出てきたて! みんな無言になっちゃってさ」 加藤 「結局それ、美味いの? 不味いの?」 ウエノ 「美味いって言わせてくださいよお(笑)。思い出も含めて」 古市 「キュウのラーメンの話もあるよ。北見で、カニが入ったみそバターラーメンみたいなやつだったんだけど、キュウもまた『すげぇ美味いから食ってください!』って勧めてくるの。食ってみたら、キュウも〈あれ?〉ってなってたんだけど、不味いとは言いたくないじゃん。そしたらチバが『バターの味しかしねぇぞ!』って」 ウエノ 「キュウはこう言ってたんですよ、『パイロットもスチュワーデスも、必ずそこのラーメンを食う』って。この呼び込みの引き強いでしょ?」 加藤 「それはすごいよね。もう、ツウが食べてるんだからね」 ウエノ 「そう。それなのに、ただバターだけの味だったんですよ。カニがいっぱい入ってて、1500円するのに!」 古市 「俺が後楽園の肉うどんをうまいって言ってるのと同じだな」 ウエノ 「コータローさんの注意しなきゃいけないところは、たまに血迷って浜松のサービスエリアでうなぎ食ったりしちゃうんですよ。もう素人中の素人、小学生でも注意するようなものを」 加藤 「でも理由聞くとさ『だって浜松でしょ?』って言うんだよね。間違っちゃいないんだけど」 ウエノ「素人のチョイスですよ!」 ――では、コロムビア時代の思い出話に戻しましょうか(笑)。 古市 「コロムビアね、昔は忘年会があったのよ」 加藤 「あったあった、景気よかったよ。グラフティっていう赤坂の店で。アーティストも来まくってたし、もちろん社員もくるし」 ウエノ 「いたいた。その頃まだ20代で血気盛んだったから、バカバカ呑んで酔っ払っちゃって。当時、小西さんの事務所に黒人の女性スタッフがいたんだけど、そのお姉さんに俺とキュウが『日本の伝統芸だ!』ってちょんまげしちゃって(笑)。そしたら『アンビリーバブル……』って言ってた」 加藤 「そりゃ言うよな(笑)」 ウエノ 「コロムビアの地下にあった食堂のカレー好きだったな、俺」 古市 「レギュラーメニューのほうのカレーでしょ?」 ――違うんですか? 古市 「ランチのはね、味が薄いの。レギュラーのほうが濃いんだよね」 ウエノ 「美味かったよ。何日寝かしてるんだよ、っていうくらい」 加藤 「ランチのほうが安いんだっけ」 ウエノ 「安いですよ、200円とか300円ですもん。おまけにその社食が家族経営(笑)。子供がウロウロしてた。あと社屋入るの、だいたい決まってサインしなきゃいけないんですよ。〈ミッシェルガンエレファント・ウエノコウジ〉って書かないといけないの。俺、あれが好きだったんですよ、〈ボインマン大森〉って書いてあるのが(笑)」 加藤 「くだらねぇ(笑)」 ウエノ 「でも懐かしいでしょ?」 加藤 「懐かしい」 ウエノ 「ヒートウェーブ時代もありますもんね」 古市 「あの時代はもうイマイチだったよね」 加藤 「あんま行かなかったでしょ?」 古市 「だってあの頃はもうマリスミゼルの時代だもん。メーカー的にはアフターミーを押してたよね。会議で『ミッシェルの次はアフターミーだ!』って言ったんだから」 ウエノ 「俺なんかが見ると、コレクターズって愛されてるなぁと思ってたけどな」 加藤 「俺もそう思ってたんだけど、上辺だけだったなぁ」 古市 「いや、愛されてるんだけど予算がないんだよ。やっぱ金がないと(笑)」 ウエノ 「でも、野音はずっとできるわけだから、たぶんずっといてくれさえすればいいっていう感じなんじゃないですか」 加藤 「なんかそういうのがあったんだろうね。めちゃめちゃ売れてないわけじゃないし、〈次は俺たちかな?〉って思ってたらどんどん新人が出てきて」 ――それでもずっと所属してるんですから。 ウエノ 「それがすごいっすよ」 加藤 「次から出てきたのが、どんどん売れてっちゃったじゃん。イエモンもミッシェルもピチカートもさ」 ウエノ 「だって『俺達はヤゴのままでいい』って言ったんだからさ」 加藤 「言ってねぇよ!(笑)」 ウエノ 「『お猿さんが売れた、象さんも売れた。トンボになって飛びたいって言った。俺たちはヤゴのままでいい!』って。ポッドキャストであれ聞いた時大爆笑しましたからね」 ――ヤゴが飛び立つ日もきっと近いですから。 ウエノ 「そうですよ。今脱皮中でしょう?」 古市 「ヤゴは動いてるものしか食べないんだよ」 加藤 「そうだよ。動きがないからね、今」 ウエノ 「え、だって野音、即完でしょ?」 加藤 「うれしいねぇ~。即完に反応してくれたのはMOBYとお前だけだぜ!」 古市 「即完ってやっぱ大事だもんね!」 ウエノ 「そりゃそうだよ、初動がすべてだよ。レコード屋もチケットも初動がすべてですから」 古市 「昔のコロムビアだったら、まずポスター貼ったよね。〈3分!〉とか書いてね」 ウエノ 「あったあった。あと〈イニシャル○枚〉とかね」 加藤 「担当者が一生懸命書いてさ、エレベーター開くところに貼ってあるわけだよ。〈バックオーダー順調〉ってあって、次に行くと〈即完!〉ってなっててさ。一番つらかったのは、〈オリコン左ページ!〉ってやつだよね。何位なんだよ(笑)」 ――では最後にウエノコウジについて一言。 加藤 「実はね、ウエノに謝んないといけないことがずっとあんのよ。ミッシェルがさ、調子こいて移籍しちゃったじゃない」 ウエノ「調子こいてないです!(笑)」 加藤 「そのあと、ベスト盤をコロムビアが出すことになったでしょう? 俺たち『GLITTER TUNE』ってアルバムを作んなきゃいけなくてさ、宣伝費が足りなかったんだよね。そしたら担当者が、ミッシェルのベストの宣伝費から、ちょっと頂いちゃったんだよねぇ。頂いてABCマートに絵描いちゃったんだよ。そこだけちょっと謝っとかないといけないなと思ってさ。おかげさんでちょっとイニシャルも上がったんでね」 ウエノ 「ははははは。いいんじゃないですか、もう」 古市 「ちなみにね、俺たち昔シカゴのカヴァーをやったんだよ。早稲田のアバコスタジオで録ったんだけどさ、それ、イエローモンキーの予算なんだよねぇ(笑)」 加藤 「これもちょっと吉井くんに謝っとかないといけないんだよねぇ(笑)。まあ、ディレクターが一緒だったからねぇ」 ウエノ 「宗清さんね(笑)。でも、だってアバコ結構高いですもんね」 古市 「一回イエモンか誰かが抑えたんだよ。それが休みになって、やっちゃおうよ!って」 ウエノ 「そういやイエモン復活するんでしょう?」 加藤 「そう、だから俺らの即完に触れてくれたのがおまえで二人目ってわけだよ」 古市 「みんなイエローモンキーのチケットをどう取るかで持ち切りなんだよね」 加藤 「そう、だから誰も即完に気づいてくれないんだよ。寂しいぜ?」 古市 「吉井くんもさ、再結成、来年にしてほしいよねぇ」 加藤 「ほんとだよねぇ」 ――今年申年ですからねぇ。 ウエノ 「ああ、なるほど。そういうことか。そこにかけてきたんだ」 加藤 「ヤゴの年ねぇかな、コータローくん」 古市 「ヤゴは秋だもんな」 加藤 「シーズンの話じゃねぇよ(笑)。でも、夏の終わりを告げるトンボだからね、寂しいねぇ~。そろそろトンボになんないと」 古市 「なっちゃうと短いよ」 加藤 「まあいいじゃないの(笑)」 ――トライアドはイエローモンキー復活で、コレクターズも即完で。非常に良い感じなので、じゃあウエノコウジもトライアドで。 ウエノ 「象年待っててもこないしね。イエローモンキーで儲かったら武藤ウエノ推しといてくださいよ」 加藤 「もちろんだよ」 ウエノ 「やったぁ、トライアド電撃復帰!」 |
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