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イケメンクラシック号外


マエストロ・バッティストーニ、東京におかえりなさい!
昨年は、二期会《ナブッコ》への出演で、日本の多くのオペラ・ファンを魅了しました。二期会、そして東京フィルハーモニー交響楽団との共演となる日本への初登場は、センセーショナルなものでした。観客はまずあなたの歳に驚き、次にはそこから生み出される音楽の素晴らしさに驚愕したのです。


Battistoni日本の音楽家たちとの初共演はいかがでしたか?イタリアのオーケストラ、もしくはヨーロッパのオーケストラと、日本のオーケストラに違いを感じることはありましたか?


素晴らしい日本アーティスト達と演奏して,本当に驚かされました。まず技術的な準備は完璧にされており、指揮者は音楽的な面だけに専念できたのです。まるでストラディヴァリの名器を前にして,音楽的なことだけを伝えればよいという様な状況でした。そしてオーケストラがどれだけオペラを愛しているか,歌手の伴奏ではなく,能動的にオペラを作って行く必要がある事をよく分かっている事に驚きました。これはイタリア音楽の秘密と言ってもよい事です。イタリアのオーケストラはオペラに能動的に関わる事を知っていますが,東京フィルもその事を既に分かっていたのです。この最初の共演で,私達はイタリアの音を創り出す事ができました。これは,今回のレスピーギの練習でも感じている事です。

今回の公演では、レスピーギの曲を演奏します。イタリアの作曲家の作品は、あなたにとって特別な意味を持ったものなのでしょうか?

イタリアのレパートリーを、オペラとシンフォニーの両方で持って来れた事をとても光栄に思っています。これはとても責任のある事ですが。レスピーギはヴェルディやプッチーニ程知られていませんが,ローマ三部作以外のあまり知られていない曲も含めて素晴らしい作曲家だと思います。彼の音楽が私にとって深い意味を持つのは、イタリア,そしてイタリア音楽の真髄を表しているからです。メンデルスゾーンのイタリア、シュトラウスの「イタリアから」、チャイコフスキーのイタリア奇想曲は名曲ですが、ある意味絵葉書の様なものです。イタリアの奥底までを理解するに至っていない。レスピーギはオーケストレーションの名手であり、偉大な作曲家で,イタリアの魂を表現する事ができた。これはスペインで言うと,「カルメン」が美しい絵葉書なのに対し,ファリャが真のスペインの作曲家であるという事です。スペインにとってのファリャは、イタリアにとってのレスピーギです。

Battistoni指揮者には、さまざまな能力を要求されるものですが、肉体的にもタフな仕事ですよね。コンディションを整えるのに、何かしていることはありますか?

残念ながら怠け者で有酸素運動をするのは指揮くらいです。指揮をすればする程、自分の身振りがどれほど大切かという事が分かって来ます。かなり怠け者なんです。身振りは単にテクニカルなものではなく、自分の音楽的アイデアと知識を見せるための表現です。まず音楽を学び,音楽をよく知り、オーケストラに何を求めるかがわかれば、音楽が自分から出てくる様になる。とても素晴らしい関係です。

音楽のほかに、最近ハマッていることはありますか?

葉巻を吸う事ですね。僕はエキスパートです。煙草を吸う事には問題も多いけど,芸術的とも言える。音楽にも似ているのです。ただ吸っている訳ではなく,ワインの様に味わっている。色んな食べ物と合わせて飲んだりしますが,この味というのは音の様、テイスティングは音楽を聴く様なものです。イタリアはキューバに次ぐよい葉巻の産地なので,イタリア人はラッキーです。トスカーナ産のトスカーノです。元々貧しい人達のものとして始まったのですが,後にイタリアの誇りとなりました。キューバの柔らかなものとは違い,もっと素朴なものですが,今では私の人生の喜びの一つとなりました。世界中どこに旅するにも葉巻を持って、ひとかけらのイタリアを一日の内に楽しんでいるのです。

Battistoni(演奏会を終えた後)イタリアへの長いフライトを快適に過ごすために、何をしようか考えていますか?


私は読書が好きなので,本を沢山読みます。アメリカの小説やイタリアの詩をよく読みます。
それ以外私の人生はほとんど音楽漬けなので,脳が少しファンタジーを見れる様に、旅をできる様にしたいのです。特に旅行記が好きです。自分のとは全く違う文化に旅して触発されたいのです。そこの人になったと想像してみたりしたいのです。今まさにそれを(日本に来る事で)しているわけですが。(笑)
<日本についての本は読みましたか?>
私の好きなイタリアのジャーナリストのティッツィアーノ・テルツァーニのアジアについての本は沢山読みました。日本の宗教、伝統にも惹かれますね。仏教はイタリアの神秘や哲学,宗教とは全く違うものなので大変惹かれます。西洋人として入って行くのは難しいけれど,外から見てとても興味深いです。

ありがとうございます!コンサートを楽しみにしています。

プロフィール


アンドレア・バッティストーニ (Andrea Battistoni)
1987年ヴェローナ生まれ。7歳よりチェロを学び、後に作曲・指揮を学んだ。
プロフィール詳細&公演情報等は下記サイトへ
http://www.tpo.or.jp/about/conductor/detail-266.html


第1回 福間洸太朗(ピアノ) 2012/10/15掲載
第2回 上野星矢(フルート) 2012/12/14掲載
第3回 藤原道山(尺八) 2013/03/15掲載
第4回 妹尾武(ピアノ) 2013/05/17掲載
★号外 アンドレア・バッティストーニ (指揮者) 2013/05/29掲載