「心臓の音を聞いてみましょう……いい音ですね!」
「おなかのお薬を出してあげますね」
「今度はわんちゃんの番です。どうしました?」
娘はお医者さんごっこが大好き。いつも私たち家族や人形たちの診察をしてくれます。
きっかけは、2歳の時に近所のお友達の家で遊ばせてもらった、おもちゃの診察セット。白衣や聴診器、体温計など、いろいろな診察器具が入った本格的なもので、遊びにいくたびに「お医者さんので遊んでもいーい?」とお友達にお願いし、遊ばせてもらっていました。なぜかいつも、聴診器が逆さまなのが気になりましたが(笑)。
*お友達の家にて、おなかの中の息子を診察中。聴診器が逆さまの診察スタイルは、いつの間にかしなくなってしまいました。なつかしいです
そんなにお医者さんごっこが好きならばと、おもちゃの診察セットを購入したのは、娘が3歳になったばかりのころ。家でもお医者さんごっこができるようになったことで、息子や夫、私、人形たちの診察をしてくれるようになったのです。
診察セットの他にも、娘の興味がさらに深まればという思いから、お医者さんや病院、体にまつわるものが増えていったわが家。おもちゃに限らず、絵本やアプリなど、いろいろなジャンルのものを取り入れています。
例えば、絵本『ねずみのおいしゃさま』。「ぐりとぐら」の絵本シリーズでおなじみの、山脇百合子さんが描く絵本です。
●絵本『ねずみのおいしゃさま』(作:中川正文 絵:山脇百合子 福音館書店刊)
大雪が降る夜のこと。ねずみのお医者さまは、りすの坊やが熱を出したので来てほしいと頼まれました。ですが、すぐにスクーターに乗って向かったものの、大雪のため動けなくなってしまいます。仕方なく、近くにあったカエルの家で少し休ませてもらうことにしますが、うっかり朝まで眠ってしまったお医者さま。やっとりすの家にたどり着いた時には、坊やはすでに熱が下がって元気いっぱい。最後には、お医者さまが風邪をひいてしまうのでした。仕事熱心だけれど、ちょっぴりのんきなねずみのお医者さまのお話です。
-----
「お医者さん、寝ちゃったね」「お医者さんも風邪引いちゃったね」と、ねずみのお医者さまの様子を見守りながら読んでいる娘。以前は、病院に行って白衣を着たお医者さんを前にするだけで泣いていた娘ですが、のんきなねずみのお医者さまに親しみを感じたからでしょうか。この絵本を読むようになってからは、泣かなくなったように思います。注射の日だけは、未だに泣いてしまうんですけどね。
*読んであげるなら3歳から、自分で読むなら小学低学年から
また、有料のアプリですが、「Little Fox Animal Doctor 3D」も、娘のお気に入り。動物のお医者さんになって、ケガや病気を治してあげるアプリです。
●アプリ「Little Fox Animal Doctor 3D」(販売元:Fox and Sheep GmbH)
森の病院に、キツネやウサギ、ハリネズミなどの7種類の動物たちが、21種類のケガや病気を治すためにやってきます。鼻風邪をひいたキツネには、熱を測って鼻をかませ、薬を飲ませたり、骨折したコウモリには、レントゲンを撮って骨を正しい位置に戻してあげたり。治療が終わったら、動物たちにマフラーや手袋をつけて、風邪の予防も忘れずに。
-----
アプリを楽しみながら、娘なりにケガや病気の治療法、予防法を学んでいるようです。実生活でも「風邪をひかないように、手袋をしていかなくっちゃね」「ここ、血が出ちゃったから絆創膏を貼らないと。娘ちゃん、自分でできるからね!」と、覚えたことを取り入れるようになりました。
*ウサギの腕に絆創膏を貼ってあげる娘
●番外編「薬代わりのアイロンビーズ」
以前、ジャムやパテなどが入っていた小瓶に、アイロンビーズを色分けして入れていると、娘がお医者さんごっこの薬として使い始めました。それ以来、わが家ではアイロンビーズが薬代わりになっています。
*おなかの薬は赤、頭が痛い時は紫など、症状に合わせて娘が処方します
他にも、心臓の音がちゃんと聞こえる聴診器や、人体模型のような木製パズルなども愛用しているので、機会をみてFacebookでも紹介したいと思います。
余談ですが、先日夫と、これだけお医者さんごっこが好きだったら、「将来は医学部に行きたい!」なんて言い出す日も来るのでは? という話になりました(気が早い私たち)。「そうしたら、学費の準備をしないといけないね」と、真剣な表情の夫。妄想がとまらない私たち両親だったのですが……。
内心ドキドキしながら娘に「大きくなったら何になりたいの?」と聞いてみたところ、返事は「患者さんになりたいのー!」でした(笑)。
私たちの妄想は取り越し苦労だったようですが、絵本やおもちゃ、アプリを楽しみながらも、何かを学び取っている様子の娘。いつまで興味が持続するかわかりませんが、今後も娘や息子の関心ごとにはつき合ってあげたいと思っています。
平岩茉侑佳
<<<vol.6 | 特集TOPページ | vol.8>>> |