娘の幼稚園はキリスト教系なので、12月に入ると赤や緑の装飾で園内が彩られます。園児たちも、クリスマスの劇の練習をしたり、お礼拝の時間にアドベントクランツに火を灯したり、クリスマスの絵本を読んだりと、クリスマスに向けて少しずつ準備をしている様子。娘は帰りの自転車で「私は小さい羊飼い~メエメエ♪」と、劇の歌を口ずさむようになりました。羊飼い役は年長さんのはずなので、年中の娘は、どうやら羊役に選ばれたようです。
自宅でも、クリスマスを待ち遠しく思っている娘と息子と一緒に、クリスマスの絵本を読む機会が増えました。娘が読んでと言って持ってくる絵本のラインナップには、クリスマスがテーマのものがずらり。今回は、わが家の絵本棚からピックアップしたクリスマスの絵本の一部をご紹介したいと思います。
(1)『まどからおくりもの』
(作・絵:五味太郎 偕成社刊)
小さい頃に私も大好きだった絵本。四角く切り抜かれた窓から見えるのは、家の中で眠る子どもたちの姿の一部なのですが……。おっちょこちょいのサンタクロース、勘違いをして毎回間違ったプレゼントを置いていってしまいます。「これ、ネコさんじゃないのにねえ!」「ワニさんじゃないよね!」と、毎度つっ込まずにはいられない娘を微笑ましく思いながら読んでいる1冊です。
(2)『さんかくサンタ』
(作:tupera tupera 絵本館刊)
サンタクロースの三角や、おもちゃがたっぷり入った袋の丸、プレゼントの四角など、丸、三角、四角をもとにした絵で構成されたゆかいな1冊。誰もが認識しやすい色と形なので、赤ちゃんと一緒に読むのにもおすすめです。少し前までは娘と、最近は息子と一緒に読んでいます。
(3)『クリスマスってなあに』
(作:ディック・ブルーナ、訳:舟崎靖子 講談社刊)
クリスマスは何の日かと子どもにたずねると、ケーキを食べてサンタさんからプレゼントをもらう日だと答える子どもたちも多いはず。本来クリスマスは、イエス=キリストが生まれたことをお祝いする日。それをディック・ブルーナの絵とともにわかりやすく伝えてくれるクリスマスの定番絵本です。2019年にはしかけ絵本版も登場。
(4)『くるみ割り人形』
(文:ジェラルディン・マコックラン、絵:クリスティーナ・スワーナー 大日本絵画刊)
バレエの原作として知られるクリスマスの物語「くるみ割り人形」。いろんな絵本が出ていますが、こちらはページをめくる動きに合わせて中央の穴から登場人物が出てくるしかけが施された絵本。バレエの舞台を観ているような気持ちにさせてくれる1冊で、娘が気に入りそうだと思って今年購入しました。案の上、カラフルで美しい画面としかけに娘は夢中になっています。
(5)『あのね、サンタの国ではね…』
(絵:黒井健、文:嘉納純子 偕成社刊)
クリスマスに向けて、サンタクロースは1年間どんなことをして過ごしているのか描いたユニークなお話。サンタクロースが大きな望遠鏡を持って良い子を探しに行く7月のページでは、「はっ! 娘ちゃんもピアノの宿題しないと!」と言って娘が焦り出すので、面白いなあと思いながら読んであげています。
(6)『サンタクロースの おてつだい』
(文:ロリ・エベルト、写真:ペール・ブライハーゲン、訳:なかがわちひろ ポプラ社刊)
全ページ写真でつづられた写真絵本。まるで映画のワンシーンを観ているかのような美しい画面に、大人も子どもも引き込まれてしまいます。サンタクロースのお手伝いをすることを夢見る主人公の女の子・オンヤを撮影し、文章を書いているのは、オンヤのご両親とのこと。親ならではのあたたかい眼差しが、この絵本をより魅力的に感じさせる一因なのかもしれません。
ひらがなで書かれたものと漢字にふりがながふってあるものしか選んでいないので、自分で読みたいお年頃の子にもおすすめです。気になる絵本があれば、ぜひ探してみてください。楽しいクリスマスを過ごせますように!
平岩茉侑佳
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