4月のある日、娘のピアノの発表会が行われました。
本来ならば3月に行われるはずだった発表会。新型コロナウイルス感染症の感染状況を鑑み、今年は早々に中止が決まっていたのですが、まん防期間が明けたことを機に「みんなの1年の成果を披露する場を設けよう」ということで、2週間ほど前に急遽開催が決まったのです。
急な決定だったため、2週間前の時点でまだ曲目も決まっていなかった子どもたち。ホールでの正式な発表会ではなく、近所の会場をお借りし、過去に練習した曲を気軽に弾き合うお楽しみ会のような形での開催となったものの、他の子どもたちや親御さんの前で、娘がピアノを演奏することには変わりません。心配性の私は「2週間で準備できるのか」、「人前で弾いたことがない娘は緊張で固まらないか」、「うまく弾けず、ピアノが嫌にならないか」などと、心配ばかり。対する娘は「娘ちゃん、先生に上手に弾けてるねって言われたから大丈夫~!」と、あっけらかんとしています(笑)。状況がわかっていないのか、本当に大丈夫なのか(いや、この時点では大丈夫ではなかったはず)。ひとまず、娘の度胸は買いたいと思いました。
2週間が経ち、いよいよ当日。娘はトップバッターを仰せつかったのでますますドキドキしてしまいましたが、「大丈夫~!」の言葉通り、なかなか堂々とした弾きっぷり。他のお友達も、短い練習期間にも関わらず立派に弾いていて、感心してしまいました。
たくさんの人が集まることが難しいご時世ですが、自分の成果を発表する、そして他の人の発表を聴く機会は、やはり大切ですね。
*短い曲ですが、先生と一緒に2曲弾いた娘。頑張りました!
親としてしたことと言えば、「練習に付き合うこと」、「当日の支度をすること」、「先生にお渡しするお花を用意すること」くらいでしたが、終わってからは私のほうがぐったり(笑)。私が弾いたわけでもないのに、想像以上に気疲れしたようです。当の本人は「発表会、楽しかった~!」と、相変わらずけろっとしていました。
私自身のピアノの発表会の思い出と言えば、毎度、緊張でガチガチだったことくらいしかありませんが、「発表会=緊張するもの」というイメージは、私が勝手に持っていた先入観だったのかもしれません。本来、自分の演奏を人に聴いてもらえて、さらにたくさんの拍手までいただき、「上手に弾けたね」「頑張ったね」「素敵だったよ!」と声をかけてもらえることって、とても嬉しいことのはず。先入観のない娘は、それを素直に感じ取って「楽しかった!」という言葉にしたんですよね。始まるまでは心配ばかりしていた私ですが、そんな当たり前のことに、娘の発表会で気づかせてもらうことができました。
ピアノへの意欲が少々停滞気味だったここ最近の娘。「ピアノを始めてよかったのか?」と悩んだこともありましたが、楽譜の読み書きができるようになったこと、いろんな音楽に触れられたこと、両手で弾けるようになったこと、宿題をする習慣が身についてきたこと……、1年続けてきたことで得られたこともたくさんありました。特に今回、発表会で弾く楽しさを実感できたり、お友達の素敵な演奏を聴いたりしたことは大きかったようで、ピアノへの意欲も戻りつつある気がしています。 この調子で、来年の発表会も楽しく弾けることを祈るばかり。今年度は私も「楽しく」を意識して、娘の練習に付き合いたいと思います。
【おまけ】
発表会当日に持って行ってよかったものが意外とあったので、参考までに記しておきます。
●楽譜
●ハンカチ、ティッシュ
●水筒
●軽食(時間がお昼時だったため、念の為持参しました)
●カイロ(娘の手を温めるため)
●先生へのお花
●着替えと靴(観にきてくれた祖父母と一緒に昼食と公園に行く予定があったため)
●ハンディカム、カメラ
●エコバッグ(祖父母が小さなブーケを、先生がお土産のお菓子をくださったので、持ち帰る際に役立ちました)
当日は4月とはいえ寒い日でした。換気のために窓も開いていたので、娘の指先を温めるのにカイロが活躍。着替えと靴は、終了後に祖父母と一緒に昼食と公園に行く予定があったために持参しましたが、よそ行きの靴で疲れてしまうお子さんも多いと思うので、会場が遠方の場合はあるとよいかもしれません。
平岩茉侑佳
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