もうすぐ夏休み。夏の計画を立てている最中というご家庭も多いのではないでしょうか。海や山、キャンプなどのレジャーも楽しい季節ですが、これだけ暑いと、涼しい屋内でゆっくり過ごすのもまたいいですよね。絵本が好きな方は、板橋区立美術館で開催中の「2022イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」に足を運んでみてはいかがでしょうか。
「2022イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」板橋区立美術館にて、8月7日(日)まで
「ボローニャ国際絵本原画展」は、毎年イタリアのボローニャで開催されるボローニャ・チルドレンズ・ブックフェアが主催する児童書のイラストレーション・コンクールの入選作品による展覧会。3月にボローニャでの展覧会を終え、日本でも板橋区立美術館を皮切りに、兵庫、石川、群馬で巡回展が行われます。今年は世界各国から過去最多の3873作品もの応募があり、その中から29カ国78作家が手がけた素晴らしい作品が選ばれ、会場で展示されることになりました。
入り口には、イラストレーターのオオノ・マユミさんによるカラフルで楽しい装飾が
私も初日に行ってきました。展覧会場に足を踏み入れると、壁面には入選した78作品の原画がずらり。鮮やかな色彩や豊かな表情、繊細ながらも力強く語る線、思わず触れてみたくなるマチエール……、どの作品もエネルギーに満ちあふれ、輝きを放ちながらそこに在りました。大人の私ですら感じるものがたくさんあるのですから、感受性豊かな子どもたちはもっとでしょう。子どもたちにとって、たくさんの物語や国内外で活躍する作家の感性に触れることができる貴重な機会になると思います。
会場には読書コーナーも設けられており、すでに書籍化されている入選作品や入選作家による絵本を読むこともできます。この日も親子が椅子に腰掛け、世界各国の絵本を手に取って楽しんでいました。読書コーナーの絵本は、ショップで購入できるものもあるようです。
ショップでは、ぜひ図録もお手に取ってみてください。今回私は日本版図録の編集を担当しましたが、78作品の魅力がぎゅっとまとまった素晴らしい図録になっていると思います。自宅に帰ってからも、ページを開いて作品の世界に浸っていただけたらうれしいです。
図録の表紙はスペインのイラストレーター、エレナ・オドリオゾーラによるもの
また、「絵本のまち板橋」として親しまれている板橋区では、「ボローニャ絵本さんぽ2022」と題し、会期中に東武東上線沿線のショップでさまざまなイベントを予定しているとのこと。イラストレーターの展示やワークショップなどが楽しめるようですので、ホームページやフライヤーもチェックしてみてください。
平岩茉侑佳
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