小さいころに「お花屋さんになりたい」、「消防士さんになりたい」と、誰しも身近な職業に憧れた経験があるのではないでしょうか。もし、実際にお花屋さんや消防士さんの制服を着て、ブーケを作ったり、ホースで消火活動をしたりできたら、幸せですよね。
そんな子どもたちの願いを叶えることができるのが、「キッザニア」。「こどもが主役の街」と謳っている「キッザニア」は、本格的な設備や道具を使って、現実世界にもあるたくさんの仕事やサービスを体験しながら、社会のしくみを学ぶことができる場所なのです。
以前からその存在は知っていましたが、利用できるのが3歳~15歳ということで、2歳の息子がまだ楽しめないこと、また私自身が「キッザニア」のシステムがよくわかっていなかったことから、なんとなく行く機会を逃していました。しかし先日、「キッザニア」に行き慣れている友人たちが「一緒に行こう!」と誘ってくれたので、娘と私でついて行くことになったのです(息子と夫は別の場所にお出かけ)。
ネットから事前にチケットを購入していたので、当日は飛行機の搭乗口のようなゲートで予約画面を見せ、体験に必要なカードや「キッザニア」の専用通貨を受け取って入場。中に入ると、館内をぐるりと1周するように道があり、その両サイドにずらりとお店(パビリオン)が建ち並んでいました。道には横断歩道や信号があり、建物の装飾や看板なども本格的で、まさに小さな〝街〟といった雰囲気です。
早速、道を歩きながら街の様子を眺めていると、ほかの子どもたちがベーカリーや警察署、病院、お菓子工場、地下鉄、ビューティスタジオなどで、いろんな制服を着て熱心にお仕事をしている姿がみられます。その様子を見た娘たちも「早くお仕事をしたい!」とのことだったので、人気のパビリオンで予約を取ったあとに、ソフトクリームショップへ。かわいい帽子とエプロンをお借りして着替えたら、手の洗い方からマシンの操作方法まで丁寧に教えていただき、実際に自分でコーンにソフトクリームを盛り付け、トッピングまでさせてもらっていました。
お仕事が終わると、作ったソフトクリームをその場で食べられるのも嬉しいポイント。ほかにも、パイロットやバスガイド、メガネショップの店員、ソーセージ職人など、計7つのお仕事を体験したのですが、作った食べ物は館内で食べることができるし、食べ物以外のものも持ち帰ることができたので、いい記念になりました。
ちなみに、持ち帰ったものの中で娘が特に気に入っていたのは、メガネショップで作ったサングラス。サングラスの形からフレーム・レンズの色まで、すべて自分で決めて組み立てることができるのです。が……。
お友達A/フレーム:黄緑、つる:青、レンズ:黒
お友達B/フレーム:紫、つる:ピンク、レンズ:青
と、いろんな色を組み合わせて楽しんでいるお友達とは対照的に、娘は
娘/フレーム:ピンク、つる:ピンク、レンズ:ピンク
という、わが道をいく〝どピンク〟セレクトでした(笑)。まあ、娘らしくていいんですけどね。
*紫外線をカットするレンズを使用していて、本当にサングラスとしての効果があるとのことでした。メガネショップは人気のパビリオンで早々に受付が終了していたので、入場後に早めに予約を取っておくとよさそうです
どのお仕事をするにも子どもが主体なので、パビリオンの受付からお仕事が終わるまで、子ども自身で行うのがルール。保護者はパビリオンの外で待機です。普段だったらついつい手伝ってしまいそうになるところを、ぐっとこらえて子どもたちの様子を外から見ていると、意外とスタッフの方の説明をちゃんと聞いて、教えてもらった通りに懸命に動いているんですよね。大人自身も、子どもを信じて見守り、自主性を伸ばしてあげることの大切さを学ばせてもらった1日となったのでした。
国内では、東京、甲子園、福岡の3カ所に「キッザニア」があるのですが、施設によって体験できるお仕事が違うようですので、気になる方は、お近くの施設のホームページをチェックしてみてください。
平岩茉侑佳
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