私が小さいころに楽しみだった日と言えば、自分の誕生日。
好きなものを買ってもらえたり、誕生日会に友達が来てくれたり、みんなに「誕生日おめでとう!」と言ってもらえる1日は、何ものにも変え難い喜びがありました。楽しみすぎて、誕生日が来るのを指折り数えて待っていたほどです。
しかし、月日が経って大人になり、子どもたちが生まれると、自分の誕生日の重要度はだんだんと下がっていきました。下がっていったと言うより、自分の誕生日以上に、子どもたちの誕生日や、子どもたちが楽しみにしているクリスマスなど、大切な日が増えていったと言った方が正しいかもしれません。
そんなわけで、ここ数年は夫が買ってきてくれたホールケーキを食べ、欲しかったものを買ってもらうという、“ちょっとうれしい日常”と化していた自分の誕生日。しかし、今年の誕生日は少し違いました。子どもたちが自発的に誕生日プレゼントを用意してくれていたのです。
まずは娘。夫に頼んで100円均一で購入してきたピンクの造花に、「ままだいすき」のメッセージと絵を綴った紙を巻きつけてマスキングテープで留め、ブーケ風のプレゼントを用意してくれていました。
さすが小学生、誰かに指示されたわけでも、教わったわけでもなく、自分で思いついてこのようなプレゼントを用意してくれたのだそう。「造花だから、何年経っても枯れないところがいいでしょ!」と、プレゼントのおすすめポイントまで教えてくれました。
*素敵なアイデア!
次に息子。最近、くだものの緩衝材をドラえもんのひみつ道具「スーパー手ぶくろ」に見立てて手首につけて遊んでいるのですが、その「スーパー手ぶくろ」を私にくれるとのこと。自分の大切なものをあげたいと思ってくれるなんて、うれしいですよね。
※スーパー手ぶくろとは:手ぶくろの形をした道具で、手にはめると怪力になってどんな重たいものでも持ち上げることができるというひみつ道具です
ちなみに……、息子にはおそらく“ママの誕生日プレゼントを用意しておく”という頭がなかったと思いますが、姉の様子を見て「ぼくも!」と用意してくれたようです。私と妹の間にも昔同じようなことがあったので、娘の真似をしてプレゼントを用意してくれる息子を見て、なつかしい気持ちになりました。
*息子の「スーパー手ぶくろ」
12月に入り、「ママの誕生日、あと何日?」と、何度も聞いてきてくれた子どもたち。子どもたちが私の誕生日をカウントダウンしながら待ってくれて、それぞれプレゼントまで用意してくれるようになったことに、母は感動。
子どもたちからのプライスレスなプレゼントのおかげで、小さいころの誕生日やクリスマスの喜びを久しぶりに思い出した誕生日でした。
平岩茉侑佳
<<<vol.52 | 特集TOPページ |