昨年、娘が初めて新体操の大会に出場しました。
娘が新体操を始めるまでは新体操にふれる機会が一切なかったので、大会の様子やマナー、持ち物など、全くわからなかった私。先輩のお母さまたちが丁寧に教えてくださって助かったのですが……、大会当日の話を聞いて青ざめました。受付をしてから本番までの約2時間半の行動と時間が、出場選手ごとに細かく決められていて、それを子ども自身が把握してこなさなければならないようなのです。
例えば、8:30に受付を済ませたら隣の建物の更衣室へ行って衣装に着替え。荷物置き場に指定されている部屋へ荷物を置きに行き、A会場へ移動して9:08からアップ。9:48に会場を出て、隣の建物にあるBホールで9:58から練習。10:18にホールを出て10:26からC練習場に移動してリハーサルをしたら、10:36に練習場を出てメインの試合会場に移動。受付でCDを渡し、11:02からアップをして11:08から本番。といった具合です。
上記の内容を記した時間と会場のメモ、そして各会場の地図を持たせ、基本的には子ども自身がひとりで回れるようにしておかなければならないとのこと。初めての会場で娘が細かい時間と場所を把握して行動できるとはとても思えませんでした。ちなみに、親は最初の受付の時点で選手とは別れなければなりません。
幸い同じクラブのメンバーが前後にいたことに加え、初めての大会ということで先生が心配してコーチをサポートにつけてくださったので無事に本番を迎えられましたが(1度みんなで迷子になったようですが。笑)、いずれはこのスケジュールをひとりで管理してこなさねばならないのかと思うと、ぼけっとしがちな娘にできるのだろうかと気が遠くなりました。これをこなせている同じクラブのお姉さんたち、素晴らしい。
*初めてのお化粧もして、いざ本番
そのように母は母で心配していましたが、当の本人も、大会出場が決まってからプレッシャーで初めて「練習に行きたくない」、「大会に出たくない」と言ってみたり、「当日会場でどこに行ったらいいかわからない」と不安を口にしてみたり、クラブ内のリハーサルの際に緊張して振り付けが飛んでしまい、悔し涙を流したり。ですが、大会が近づくにつれてだんだんと士気が上がり、直前には「明日も明後日も練習に行って完璧にしたい!」と言い出すほどになっていました。
そして当日は、緊張しながらも精一杯演技することができた娘。本番後に会った時には「娘ちゃん、すごかったでしょ!」と自慢げでした。自分の中の高いハードルを乗り越えたことで自信もついて、ひと回り成長したように感じました。
途中、「娘に大会はまだ早かったのかな?」、「レベルが高すぎたかな?」と思ったこともありましたが、娘の気持ちを受け止めながらもじっと見守ることで、娘がもがきながらもひと皮むけて成長する姿を見ることができたように思いました。
改めて、子育てって悩むこと、選択することの連続だなと感じます。
あの時、「大会に出たくない」という言葉を受け入れて大会出場を辞めていたら、この成長もなかったのかなと思うと、悪くない選択だったのかもしれません。
大会が終わってからも何が正解かはわかりませんが、娘にとって何がベストか頭を悩ませながら、これからも娘にとってよいと思われる選択をしていきたいと思った初大会でした。
平岩茉侑佳
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