道で散歩中の犬に遭遇すると、娘たちは風の速さで寄っていき、飼い主と話し始めます。テレビで「かわいい動物特集」などという番組をやっていると録画して何度も繰り返しみます。
そしてお決まりのように、「ほしい、飼いたい。ママ買って」と言われるのです。
極め付けのワードが「サンタさんに持ってきてもらう」という発言。
サンタさんは欲しいものを絶対に持ってきてくれる、裏切らない存在だと信じているので困ります。そこをいかにかわすか、毎年苦労していました。
言葉がしゃべれるようになって以来、ずっと「ペットを飼いたい」と言われ続けてきて早5年。親としては手のかかる子どもが2人、ここに動物が加わるとどうなるのか……血の気が引きます。
「絶対めんどうみるから」などという子どもの発言は必ず裏切られることを知っています。金魚の世話でさえ、結局は親がやることになりますよね。
だからと言ってペットを飼いたくないわけではないのです。
大変だから極力避けたい……という親の都合です。
ある日、わんちゃんを飼っている家族に「大変じゃないですか?」と聞いたら、「いきなりは大変かも、うちはハムスターから始めた」と言っていたのが心に引っかかりました。
わが家の子どもたちは動物園や牧場へ行くと展示された動物などには興味を示さず、ふれあいコーナーだけが目当て。しかもモルモットやウサギなどの齧歯類がお好みのよう。
「そうだ、ハムスターを飼おう」と突然思いたち、その日のうちにハムスターとケージなど一式を購入してしまいました。
晴れて家族の仲間入りしたハムスターですが、ビギナーには非常によいペットだとわかりました。小さい、安い、手がかからない(夜行性だから昼間は寝ている)、臭くない、しかもかわいい。
ネックは寿命が短いことでしょうか。しかし情操教育の一環と思えばそれもよいでしょう。意外にもケージの掃除まで子どもたちがやるので、親の出番が少なく非常にらく。
子どもたちもかわいがっていますが、なんと「ハムスターが死んだら犬か猫を飼いたい」と言い出しました。これには「ハムスターの命をなんだと思っているのか」と叱りました。
まあでもそんなに言うなら一度触れ合ってみるのもよかろうと近所の猫カフェへ連れて行ってみることに。ここは里親型なので、家族にしたければもらっていくこともできます。はじめは「かわいい~!」と興奮気味の子どもたちでしたが、猫じゃらしに興味を示さない、触ろうとすると逃げるなど、猫のきまぐれさとツレない態度にショックを受けたらしく、「うん、猫は飼わなくていいや」という発言が出ました。これには驚きです。
自分がかわいがりたい時にかわいがりたい、などという気まぐれさが猫とソックリな子どもたち。ペットを飼う前には、一度お試ししてみることをオススメします。
本田 香
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