最近、高層マンションから子どもが転落する事故などをよく聞きます。そのような場合、だいたい「ちゃんと親が見てないから」と言われます。確かにそれはそうなのですが、24時間子どもに気を配ることはほぼ不可能……。「昔は社会で子育てをしていたから、近所の目が多く大事に至るケースが少なかった」というのも怪しいところ。表立って出てきていなかった可能性もあります。昔って意外とこの手の報道が少なかった気がするのですが、どうでしょうか。子どもは昨日できなかったことが今日できるようになる。だから、大人からしてみれば「想定外」なことも多い。
子育てを始めてから8年。私自身も「ヒヤリ」としたこと、「は!」っとしたことは一度や二度ではありません。ともすれば重大な事故になっていた可能性のある出来事もありました。
思い出したくないですが、思い返してみましょう。
1度目
真冬になると電気ストーブを使っています。次女が7カ月頃(まだおすわりの時期)、子どもたちが近づけないようにダイニングテーブルの下に置いていた電気ストーブ。ふと仕事のメールが気になり、2階へあがってチェックをしていたら、次女の泣き声が聞こえます。急いで階下へ降りると、ダイニングの下の電気ストーブに背中をよりかかるようにしてギリギリ腹筋で触らないようにふんばっている次女を発見。驚きすぎて抱えたまま蛇口へ直行。すぐに流水で冷やしてチェックしたところ、特に何事もなかったのですがこれには参りました。まだ寒かったですが、その年はストーブを以後怖くて使うことができませんでした。
2度目
お姉ちゃんたちがお菓子を食べるので、早い段階で「飴」の味を覚えてしまった次女。棒付きキャンディーを与えていたら(棒付きなら安全という過信)、キッチンの私のところ来た次女。顔は泣き顔なのに泣き声がしません。手にはキャンディーの棒が……。「はっ! まさか飴を詰まらせたのか!」と次女を抱えて、背中をどんどんと叩くと飴がぽろり。飴は詰まりやすい子は本当に詰まりやすい。おそらく舐めないで飲んでしまうくせがあるのだと思います。
これらはすべてあわや大事故に繋がりかねないものでした。特にストーブ事件と飴事件は今でも忘れられない、思い出すのも恐ろしい出来事です。そしてこれら「ヒヤリ」はべて次女だったという事実が発覚。2人目だからという過信や、子育てと家事と仕事でいっぱいいっぱいで、未来予測がおろそかになっていたこともあります。そういえば、長女は発達がやや遅く心配な子で、常に注意を払っていたように思います。発達が早く、運動もできて、しっかりしている(ようにみえる)次女には安心しきっていたのでしょうか。過信と油断は禁物です。
それから、子どもが増えると目が行き届きにくくなるのは確かです。
特に未就学児を三人連れて行く、なんてのは本当に大変!
一度まだ幼い長女・次女、そして甥っ子を連れて遊園地へ行きましたが(6歳、5歳、3歳だったと記憶しています)、後悔しました。特に男の子は走ってどこかへ行ってしまいます。それを探そうとすると、あとの2人はどうすればよいのか…ということに。1人ぐずればあとの2人に目が行き届かなくなる。
「無理してこんなところ来るんじゃなかった」と思ったものです。
そうです、今気づきましたが「無理しない」のがポイントじゃないでしょうか。疲れているとどうしても目が行き届かなくなります。子どもが小さいうちは揚げ物しない、買ってよし!とか、逆に大変な時は買い物へ行かないという選択肢もあります。赤ちゃんがいる家で、雨で上の子の園の送り迎えが大変な時は、いっそ休んでみるとか。レジャーに行っても覚えてないだろうから5歳ぐらまでは近所の公園に留めるなど、ちょっと手を抜くかわりに子どもに注意を払うのはどうでしょう。一時保育に数時間預けるだけでも、家事ができるし、危ない箇所にも気づくことができるかもしれないし、買い物も済ませられますね。
まだまだわが家も油断なりませんので、気を引き締めつつ、手を抜きつつやっていこうと思います。子育てはまだまだ続く……。
本田 香
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