この春、次女が4年間お世話になった保育園を卒園しました。
いくつになっても「お別れ」に慣れることができませんね。むしろ歳をとれば取るほどに、涙腺がゆるくなってきます。
街中にある保育園ということもあり、車の送迎が禁止されていたので、雨の日も雪の日も自転車か徒歩で通園しました。この時ばかりは「幼稚園はバスでいいな……」とうらやましく思ったものです。そんな送迎の日々が間も無く終わってしまうとは、にわかに信じられません。「いつでも来れる」と思っていた場所に「もう来ることができない」ということの実感がわくのは、もう少し先のことでしょうか。
そういえば高校の卒業式、担任の先生が教室の窓を全部開けて「ここから見る景色を覚えておいてください。きっともう二度と見ることはないでしょう」と見せてくれた景色が、今でも頭に焼き付いています。その先生もすでに他界されました。同じメンバーで同じ景色を見ること。それは当たり前のことではなく、尊いことなのですね。子育てをしていると、否応無くターニングポイントが訪れます。そのたびに、生きていくことの基本を改めて感じずにはいられません。どの瞬間も二度と戻ることができない大切な時間。そんな風に一瞬一瞬を生きねばと襟を正す思いです。
さてと、私も長女も幼稚園だったので保育園の卒園式がどんなものか想像できていなかったのですが、想像以上に良くてびっくりしました。少し前までは幼稚園>保育園という図式が根強かったように思いますが、いやはやそんな図式などガラガラ崩れる素晴らしい式でした。証書なんか立派すぎてびっくりするぐらい。式の後は、子どもたちが生活発表会でおどったダンスを再披露してくれたり、お手紙をくれたり。それだけじゃなく、前日にこっそりみんなで用意しておいてくれた手作りパンで保護者をおもてなししてくれるという「お茶会」のおまけ付き。
すごすぎたので割愛しますが(1万字ぐらいになってしまうので)、夕方にレストランを貸し切っての保護者主催の謝恩会もあり、泣いたり笑ったりと忙しい1日となりました。なんだかんだと保育園は付き合いが長くなるので(0歳から入園すると6年間)、先生や保護者どうしの結束が強いように感じられます。
人生初の保育園、すばらしい4年間を本当にありがとうございました!
本田 香
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