また中学受験ネタか!と思われそうですが、いったん三回目で中学受験ネタは休載しますのでお許し下さい。勇んでいた(特に母が)受験ですが、ここでちょっとくじけそうになっています。前の連載でも述べましたが、塾の新学年は2月からです。そのため、長女は学校より一足お先に小学5年生になっています。ゆる~く続けてきた塾ではありますが、5年生からは本気出さないとダメだろうなと感じていました。塾の先生からも「5年生からは習い事の両立はかなり厳しい」と言われていたので、ピアノ以外のお稽古も辞めて、サポートのために私の仕事も減らして満を持しての2月だったのですが……。
ご覧ください、こちら新年度のテキストです。高さにして14cmのボリューム。これを見ただけで卒倒しそうになりました。実はこれ、1年分ではなく半年分なのですよ!
ペラペラめくってみると、4年生の頃よりずっと難しく、また段違いの量となっていることが分かりました。これには驚きと同時にため息、そしてモヤモヤ~っとした何かが胸いっぱいに広がりました。このテキストを理解して、宿題をきちんとこなしていくには、1週間のうちに長女の時間がほとんどない計算になります。「友だちと遊ぶ時間はいつ?」「家族との時間はいったいどこ?」という心境に。小学校の内容からも大きく逸脱していますし、「詰め込み教育」と言われても仕方がないレベルです。どこかの進学校が「勉強ばかりではなく、小学生らしいこともさせてください」と仰っていましたが、これじゃあ小学生らしいことができないのも当たり前。そもそもがむしゃらにやらないと合格レベルに到達できないような子は、進学校には必要ないということなのかもしれません。「気象」のページを読んでみても、これはなんという雲でしょう?という問いがありましたが、イラストで問われても困るなと思いました。実際に見て学習した方が断然良いです。人生は一度しかないのに、将来のためとは言え、貴重な10~12歳をこんなことに費やして良いものか……。
そんなモヤモヤした気持ちで塾の前に立っていると、事務員さんが通りかかり、私のモヤモヤをちょっぴり吐き出させてもらったところ、「去年塾を卒業した子は、塾が好き過ぎてディズニーランドへ通っている気持ちで来ていましたよ」と話してくれました。ディズニーの年パス持っているようなものか、と思えばそれは楽しい人生ですし、やる意味はありそうです。
この話を娘にすると、「私も塾へ行くの、わくわくするよ!」と返ってきました。そう言われてしまうと、もう親はいったんモヤモヤをしまうしかないですが、「塾が好き」なのと「中学受験に合格する」はまた別問題です。本人は志望校に向けて頑張る気持ちでいても、子どもの“頑張る”は個人差が大きいのも事実。「成績がそれほどでもないが、塾は大好きで辞めたくない」という子は結構多いのです。本人が「しんどい」と思った時は、いさぎよく諦める決断を下す勇気も親は持ち合わせていなければならない、と肝に銘じました。
中学受験の道は険しい。どうなることやら、長女の中学受験。ひとまず長女のサポートにしばらく邁進したいと思います。
本田 香
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