「夏」という季節は、なんとなく特別な感じがしませんか?
ラジオ体操のカードを首にぶら下げて公園に通った朝、昼間はセミ取り(あるいは抜け殻集め)に夢中になり、おやつのスイカの種を庭先に飛ばし、暗くなるまで川遊び。花火をして、怪談話をする夜。お盆は親戚一同が集まって、おばあちゃんちで遅くまで遊んだものです。少子化でいとこがほとんどいない子が多くなった現代では、少し様相が変わっているかもしれませんが、夏休みが楽しいことには変わりはないはず。
そう、あれさえなければ……。あれとはすなわち夏休みの宿題です。
私の時代は7/25~8/31までが夏休みでしたが、今では1週間ほど短くなっていて、9/1が登校日ではありません。それなのに宿題はおそらく昔と同じぐらいの量があります。ああ、現代に生まれなくて良かった。私は最後の3日間で宿題をやっつけるタイプでしたので、7月で宿題を全部終わらせたという友人の話を「まさか、そんなハズがない、ウソウソ!」と随分大人になるまで信じていませんでした。
そんなぐうたらな夏休みを過ごしていた私なので「自由研究」といういかにも手間のかかりそうな宿題はしたことがありません。今は必修という学校もあるそうです。しかし、今ならやってみたい自由研究。昔は「自由研究」は科学的なことしかやってはいけないと思っていたのですが、テーマは「自由」なんですよね。ということは、興味のあることなら何でもOK。昨夜、おもしろいことばかり言う次女に、「お笑い」のネタを考える自由研究をしてはどうかと提案したら却下されました。次女の一発ギャグが面白いので、ぜひ卒業までにやってほしいです。
なぜだか方々から自由研究のネタがないか聞かれるので、せっかくなのでここで提案をしたいと思います。
1.散歩の名人(某雑誌のタイトルから拝借)
小学校の「せいかつ」でも「まち探検」というテーマで課外学習があるので、それをもうちょっと広げたバージョンです。知らない街で、色々な発見をしようというもの。個人的には日本橋あたりを散歩したいです。「日本橋」の看板を書いたのが徳川慶喜であるとか、東海道の起点であるとか、川の石垣を観察するとか、昔魚河岸があったとか、半径100メートルだけでも発見がたくさんあっておもしろい。東京都内は歴史散歩が楽しい街です。
2.税金ってなあに?
意外とお金の話は日本ではタブー扱いなのですが、生きていくのに必須なアイテム=お金について知ることは大切です。なんと税務署では夏休みに子ども向けのワークショップをやっているところもあるのでチェック! 税金がどうやって使われているのか、なぜ納める義務があるのかを調べます。信号も道路も図書館も学校も、あなたの教科書も税金からまかなわれているのだという発見ができます。日本橋の貨幣博物館に行くもの良いですね(また日本橋)。
3.大人の絵日記(R 15とかではないです)
自分がやったことではなくて、保護者を観察して日記をつけるというものです。子どもに見られているという視線があるので、大人も夏休みをちょっと頑張れるかもしれません(笑)。子どもは大人になったらどんなことをするのか、しなければならないのかが分かるのではないでしょうか。「お母さんは今日も朝からドラマを観ていました」という日記になる可能性もあるけれど……。
私は子どもの頃、アリやハチの観察が好きだったので、それを自由研究にすれば良かったなと今さらながら思います。せっかくの夏休み、お子さんの興味を深く追求できる夏になるといいですね!
本田 香
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