小学校高学年の長女、そして低学年の次女、どちらも自らの意思で自然と勉強をする…なんてことはまずありません。「宿題やった?」とか「テストの直し終わった?」と、ひと声かけないと重い腰が上がりません。ひと声かけたところで「あとで~」とか、「これ見終わってから(アニメなど)」などと言い訳をします。これを繰り返すうちに、私の堪忍袋の緒が切れて「勉強しなさい!」と怒鳴ることになります。「勉強しなさい」と親に言われて、快く勉強をしてくれる子どもはいないと分かっているのに、ついつい……。いけませんね。
勉強が嫌いではない子、成績の良い子であっても、始めるまでに時間がかかり、結局取り掛かるのがだいぶ遅れることも多いと思います。長女の塾で常にトップを走るお子さんのお母様も「うちの子、ほんとにやらないの(涙)」と仰っていました。そこで「子どものやる気スイッチはどこにあるのか」という話になり、「やる気スイッチは親が押すしかない」という結論に至りました。特に小学生のうちは、“子どものやる気を出させるのも親の責任である”というお母様のご意見には「おっしゃる通りです!」と首がもげそうになりました。
そのやる気スイッチを親が押すには、さてどうすればよいのでしょう。なかなか難しいのですが、上記のように“親の責任”と思えば、親もやることが見えてくるものです。これまでと同じではきっと親子ともども変わらないので、 “絶対に怒ってはいけない”と心に誓うところから始めました。まずは「テストの成績が悪くても、マイナスな言葉を使わない」を心がけるようにしました。成績表は“課題探し”。子どもの苦手な部分を把握し、改善するツールに過ぎないと割り切れば怒りもおさまるものです。おさまらなくてもぐっと我慢!
そしてこれは奥の手と言いますか、宿題をやっていない時は、さりげなくピカピカのダイニングテーブルに宿題と筆記用具、お茶とお菓子を用意しておくのをおすすめします。自然と子どもが座りにくることを発見しました。勉強嫌いな次女には特に効果的です。次女にとっては“宿題をランドセルから出す”、長女にとっては“どの単元をどの程度やるか”を考えるのが面倒で保留にする→遊んでしまう→勉強やりたくない、という流れができてしまう傾向にあるようです。取り掛かる前の準備を親が済ませておくと、自然と子どもは取り掛かります。大人も取り掛かる前に掃除を始めてしまう、なんてことありますよね。やる気は取り掛からないと出てこないと聞いたことがあります。その通りで、やり始めさえすれば、「次はこれ」とスムーズに進むようです。この特性を利用して、朝ご飯と一緒に計算ドリルを開いて置いてみたら、長女は勝手にドリルを解き始めました。これを続けていくと“朝は計算をするもの”という習慣のできあがりです。つまり「いつ、どこで、何をするか?」を明確にしておくことで子どもも「何をどうしたらいいの?」と混乱をしなくてすみます。
もうひとつ教育熱心なお父様の例ですが、「勉強は子どもと一緒に楽しむ」というスタンスだそうです。塾のお迎えは常にお父様、一緒に帰ったら、その日やった単元のウィークポイントをその日のうちに一緒に潰すそうです。基本的にお母様はノータッチ、「なんだか楽しそうにふたりでやっているのよ」とおっしゃる。もちろん成績は言うまでもありません。
このように、小学生は勉強をひとりではなく、親と一緒にやることも大切だと思います。うちの娘たちも、宿題や勉強をやっている目の前で私が座っていると、落ち着いてやれるようです。長女など私が目の前でずーっと見守っている(監視と言わないで)時は、あっと驚く成績を叩き出すことがあります。これをいつも私がやっていれば良いのですが、そうもいかないもので……。
「子どものやる気」以上に「親のやる気」が試されるのが子育てなのかもしれませんね。親のやる気スイッチは誰が押してくれるのでしょうか。
本田 香
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