今年のお正月のことです。1年に1度のお楽しみ「お年玉」を子どもたちに手渡したところ「ありがとう」と言ったきり、一切中身も見ずに放置していました。長女も次女もです。私が子どもの頃は、親戚からもらったお年玉を、なんとか親に没収されない方法を考えていたものです。この件に関して、私のお金の教育がなっていないのではないかと悩んでいます。
ちなみに我が家は当然ですが小市民であり、子どもたちに無尽蔵に買い与えるなどはしていません。親である我々も贅沢をしているわけではありません。かなり慎ましやかに暮らしている方だと思います。それなのに子どもたちはなぜお金に興味がないのか、一切の執着がないのか不思議です。
あまりに悩み過ぎたので自分の母親に電話して聞いてみました。すると、「確かにあなたの娘たちはお金に執着がない。〇〇(もうひとりの孫)はお釣りまで貰おうとするわよ」と言います。ちなみにもうひとりの孫の家の方が我が家より豊かです。滅多に物を買ってもらえないからお金に執着する、というわけでもなさそう。
我が家では去年から月500円のお小遣いを支給、100点を取ったら100円のお小遣いと決めてやっていたのですが、このお小遣いもまったく使わないのです。そのため、半年を過ぎたあたりからこの制度自体をなくしました。
子ども名義の通帳を作って、子どもに管理させるといいのだろうか、お金の大切さについて講義をしたほうが良いだろうか、などと頭を悩ませていました。すると母が「お金を全部没収すべし!」とアドバイスしてきました。子どもに一切の小遣いを与えるなと言うではありませんか。「お金はいったん、母親名義の口座で保管しておきなさい。お金に興味がないうちから与える必要はない。むしろ無意味。あの時のお年玉は?と興味が出てから渡せばOK」とのこと。何だかちまたの教育方法と真逆なこと言っているけど、それもそうだなと妙に納得しました。
そういわれて見れば、私も「お年玉を没収されるから、お金のありがたみが分かった」のかもしれないのです。単に理不尽だと思っていただけかもしれませんが……。そのあたりの自分の心理を覚えてないのが口惜しい! 今のところ娘たちはお金に興味がなさそうなので、中学生ぐらいになってから金銭教育を始めたいと思います。
本田 香
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