まだお姉ちゃんの中学受験も終わっていないのですが、次女のお友だちのお母さんから中学受験について質問されることが多くなってきました。一般的に小学3年生の2月から中学受験へのカリキュラムがどこの塾もスタートします。そのため、今の時期から悩む保護者が多いのもうなずけます。
最も多い質問が「中学受験をさせるべきか?」という根本的なものです。こんな時の私個人の回答は「親からの予備知識なしに、塾へ行きたい、受験をしたいと言うならぜひチャレンジさせてあげよう」というものです。この年頃になると親から話を聞かなくても“塾というものがあるらしい”ことは耳にする機会があります。都会では特にあちこちに受験塾があるので目にする機会も多いです。その存在にアンテナが立つか立たないかという差は非常に大きい。「学校以外で勉強してみたい」とアンテナが立つ子は、絶対に行かせてあげるべきという私の意見です。そういう子は学校の勉強が物足りなくなっている可能性が大きいからです。“落ちこぼれ”もツライですが“浮きこぼれ”もツライものです。分かりきった授業を50分間続けるのは割と拷問に近いものがあると(個人的に)思います。その逆も然りですが……。
ただし親が誘導して、「中学受験をしておけば後がラクだ」などと吹き込んで、無理やり塾へ入れるのは後々子どもが「辞める」と言う可能性大。自分の意思で入っていなくても、入ったら楽しかった、流れにうまく乗った、という子もいるので、まあまず入れてみるのも悪くありません。ただこういった親の誘導で入れる場合は、最大限のサポートを親がすると腹をくくって入れ、成績が悪くても絶対に怒らないことが肝心です。
子どもを受験させるにあたって、読み漁った受験本の一部。
そしてこれも聞かれるのが「どこの塾が良いか?」という質問です。これは私も正直分かりません。最難関校を目指すなら、関東なら迷いなく◯ピックスなのでしょう、関西なら◯学園でしょうか。これは保護者のライフスタイルにも影響するので、曜日と時間帯、宿題のボリューム、お弁当のありなし、テストの頻度などを予めリサーチしておき、仮に生活に落とし込んだらどうなるかをシミュレーションするのが良いかと思います。共働きだとお弁当のありなしは割とシビアになってくると思います。簡単に書きましたが、塾の内情は入ってみないと分からないところがあるので、目星をつけたら実際にその塾へ通っているお子さんのいる保護者、または卒業した保護者に詳しく聞くと良さそうです。
四谷大塚系列で使用される予習シリーズ。4年の前期だけでこのボリューム。実際にはもっとあります。今だから言えるのは、これだけしっかり完璧にすれば良い。むしろ完璧にするのは大変。
大学受験改革によってますます熱を帯びている中学受験。大学附属の人気はますます加熱しているようです。仕事がら私立中学校を取材することがあるのですが、主たる進学校は“思考型”にほとんどがシフトしています。授業も特色のある実験をしたり、中1からオールイングリッシュだったり、校長先生自ら指導する学校もあったりします。自分に合う学校を選べば信じられないぐらい楽しく充実した6年間になりそうではあります。ただし良い学校に入ったとしても、それを活かすも殺すも自分次第。活用できなければどこへ行っても同じ。そう考えると、どこの学校へ行っても自分次第という元も子もない結論を出してしまう私なのです。
本田 香
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