久しぶりに音楽の話です。小さい頃はいかにも“子ども向け”という音楽を好んでいた我が子たち。今や子どもたちはそれぞれが『iPad』や『Kindle』といった端末を持っているので、好きな音楽を『YouTube』で聴くことがスタンダードになっています。しかも私にはさっぱり訳のわからないアーティストの音楽を好んでいるもよう。どういうことかと言うと、テレビには一切出てこないしCDも発売されていないような人たちの音楽を聴いているのです。
CDやコンサートで視聴していた世代にとって『YouTube』だけで存在しているような人っていったい何者!? 状態。
聴いているのはだいたいが「ボカロ」いわゆる「ボーカロイド」といわれるものです。私にとっては「ボカロ」は耳馴染みがなく、何が良いのかサッパリ分かりませんが、子どもたちは物心ついた時には「ボカロ」がある状況ですので、なんの違和感もないそうです。違和感がないどころか好んで聴いているわけですが。
ボカロで有名な「まふまふ」あたりは長女に言わせてみると、「あれを好きと言っているようじゃまだまだ」という感じだそうで……。さっぱりワケガワカリマセン。
長女の塾のお友だちたちも、『YouTube』に落ちている色々な音楽を聴き漁っており、塾が終わってからよくみんなで歌合戦しています(受験生大丈夫か!?)。基本的にいわゆる「オタク」と言われるような曲が多いです。いや、もはやオタクという言葉では形容してはいけないのかもしれません。ちょっと脱線しますが、長女は「中学生になったらコミケへ行く」が合言葉で、色々な友だちからコミケへ行こうと誘われているのだとか。「それなら皆で行こう」と私が提案しているところです。そうするともれなく私も行くことになるので、ちょっと楽しみです。
だからといって他の音楽が好きではないわけではなく、童謡も端末で聴いているようです。特に次女はジャパニーズホラーゲームが好きなので、「かごめかごめ」や「とおりゃんせ」など内容にちょっと怖い都市伝説が含まれているものを聴いております。これはこれで心配ですが……。長女も「八十八夜」の曲が好きなので、5月になるといつも一緒に歌っています(笑)。
「YouTube」の登場で過去の音源もすぐに聴けて、マイナーな曲も発掘できるようになりサブカルチャーという言葉がもはや死語なのかもしれません。すべてがハイカルチャーで、それこそ多様性の時代。どんな趣向でも受け入れてくれる懐の深い世の中になってきたように思います。我が子たちの未来はどんな世界が広がっているのかな。
本田 香
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