政府の号令により、公立の小中高校が強制的に長期休暇に入るというまったく予測不可能な事態となりました。この休みの間、子どもたちをどう過ごさせるかという思ってもみない課題が保護者の肩にのしかかることに。わが子の小学校では希望者を日中は学校で、午後は学童で預かってくれることになりました。ただし給食がないのでお弁当を作る必要が出てきます。このイレギュラー対応、考えるのも憂鬱ですね。地域によって対応は様々かと思われますが、いずれにしても大変なことに変わりはありません。このような事態ですので仕方がないと言えば仕方がありませんし、前向きに考えればこれが日本の働き方を変えるキッカケになるかもしれません。
友だちのいる学校が大好きな次女。休み期間中はお友だちを呼んで遊んでいる時間がいちばん幸せそう。早く学校はじまれ~。
これまでテレワークや時差通勤に積極的ではなかった企業も、仕方なく取り入れてみたら「意外といけるじゃん?」ということになるかもしれません。子連れ出勤のママが登場しても、それが吉と出る可能性も無きにしもあらず。しかし先日、どうやら子連れ出勤というママが電車に乗っていましたが、大変そう過ぎて泣きそうになりました。こういう時に、男性も子連れ出勤してくれと言いたいですね。
そう言えば、次女の小学校の担任の先生(男性)は、子どもが熱を出すと学校からいなくなります。そして数日お休みするパターンも多く個人的に感心しています。どうやらこの先生、地域の先生の間でも有名なんだそう。こういうケースはなかなか珍しいので保護者の間でも当然話題になっています。たいてい共働きでも子どもが熱を出せば母親が仕事を抜けて迎えに行くパターンがほとんどです。子どもが病気の間、有給を取って面倒みるのも母親。思い出しました、私も取材へ行く途中に保育園から呼び出しがあったことを……。普通に考えたら絶対にやっちゃいけないドタキャンをやらざるを得ないのが母親。そのドタキャンをよしとしないニッポン社会。それによって信用をなくしてしまうのも母親。どうでしょう、まったくいいところゼロです。少子化待ったなし。共働きが当たり前になった社会に、いまだ女性が家事育児という潜在的な意識が横たわっている限り少子化は止まらないでしょう。つまり働き方改革とはすなわち意識改革でもあります。
今回の出来事で子どもの行き場がなくなり、どうしようもなくなった母親に対して、多少なりとも考える機会ができたのではないでしょうか。また行き場のない子どもたちを社会でどう支えて行くのかも。こんな時こそ、大変な人へ思いを寄せて考えていくことが社会を変えていく一歩になるのだと思います。
本田 香
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