ついに現在小学4年生の長男の来年度の学校選びが始まりました。
ようやく小学校に慣れたと思ったらまた学校が変わるということでアタフタ。。。
しかも日本と全然違うため、親も一緒にシステムや学校選びについて勉強しなくてはなりませんでした。
そこで今回はドイツの教育システムについてレポートしたいと思います!
1)ドイツの小学校までは4年生まで
その後はどの学校に進学するか、各自決めなければなりません。
大学に進学するための「ギムナジウム」、事務職や専門職を目指す「レアルシューレ」、職人や販売員を目指す「ハウプトシューレ」
近年では進路を決めるには早すぎる!ということで、この3つが一緒になった総合学校「ゲザムトシューレ」というものもでき、こちらも人気のようです。
2)ドイツでも今はみんな大学に行きたい時代!
猫も杓子も大学に進学する今日の日本と同様、子どもの将来を考えて、ドイツでも大学志向は非常に高まっています。
ドイツの場合、総合大学に進学するためには「アビトゥア」という資格を取らなければならず、この資格はギムナジウムかゲザムトシューレ(一部の優秀な人)でなければ取ることができません。
そのため、多くの家庭がギムナジウムを目指します。
ギムナジウムへの切符は基本的には先生からの推薦状を受け取ること。
11月末の保護者面談でどこの推薦状を書くかを相談するのですが、ドイツ人家庭の親もこの時ばかりはドキドキです。
ちなみに、推薦状が出なくても、進学は可能です。
が、ついていけなくなると退学させられるし、子どもにもストレスなため先生は無理をしないことを勧めています。
のんびりした小学校時代に比べ、物理、化学、英語に加え、さらに第2外国語。。。
とグッとレベルの上がるギムナジウム。
それに対してレアルシューレなどでは実技が多く、学ぶ内容も大きく異なってきます。
一応レアルシューレなどを卒業しても、フォルクスホッホシューレと呼ばれる、市民学校(カルチャースクールのような学校)でアビトゥア資格を取ることもできるそうなのですが、やはりギムナジウムとレアルシューレでは学ぶレベルが違いすぎるからか、実際には不可能と言い切る人までいます。
3)進路を早く決めることはいいことなのか?
自分の目的に応じて進路を選んでいたひと昔前に比べ、今のドイツの現実として「ギムナジウム→大人気。
生徒の5~8割が進学する学校」「ゲザムトシューレ→ギムナジウムがダメならここ」「レアルシューレ→勉強が苦手な子向き。職人、販売員など。(その後専門学校や単科大学へ進学)」となっています。
ただ、現在問題なのが、「ハウプトシューレ」だそうで、昔は職人さんを目指す学校だったのですが、現在では言葉が全くわからない移民として来たばかりの子や、入るところがなくて仕方なく入った、という子で溢れており、とにかく就職先がなくて問題になっていると聞きました。
(実際にハウプトシューレの数は減少傾向&全国的に廃止の傾向にあり、過去10年で42%現象しています。ただ専門家は、ハウプトシューレは、外国語生徒のためのドイツ語教育や実践が充実しており、難民の子にとって最適な教育機関だと主張。難民の子のための受け皿的存在となっているようです。)
もちろん日本でも高校まで行くと様々な学校があるのですが、ドイツの場合、5年生の段階でそれに突入するわけです。
私が問題だと感じるのが、親の怠慢のために負の連鎖が続いてしまうケース。
親自身がドイツ語への努力もせず、またドイツ社会にも馴染もうとせず、役所に言われるがままに学校にとりあえず入れただけ、親は分からないから懇談会にも学校の行事にも全く顔を出さない、、、そうした子ども達は、高い能力があったとしても必然的に学校の授業について行くことができず、学校選びも限られてしまいます。そしてそれが結果的に大学進学の可能性をも失ってしまう。。。
4年生というまだ幼い段階で、勉学の大切さに気づいたり、自分の進路を一人で決めるのは難しく、勉強の手助けや進路選びには親や周りの大人の力も不可欠だと感じます。
ドイツは大学までほぼ授業料が無料なので、たとえ家庭が貧しくとも優秀で努力さえすれば大学に行けるチャンスが高いので、本当に残念なことだなあと思います。
つまり所詮4年生程度だと、将来を真剣に考えられる子どもなんてほんの一握り。
親がいいというからギムナジウム!友達がみんな行くからと尻馬に乗ってギムナジウム!という子どもが大半だと思います。
結局はドイツの学校選びは家庭や周りの環境によるところも大きいというのが現実だな、と私は感じています。
ではまた次回!
Tschuss!(「チュース」:バイバイ!)
高橋ユウ
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