一般に欧米は個人を尊重する個人主義、一方日本は協調性を重視する社会だ、と言われていますがバリバリの欧米社会ドイツにも、個人主義はもちろんのこと、ちゃんと協調性はあります(笑)。
ドイツに住んで気付いたのは、単にそのポイントが日本と違うということです。
そこで今回はドイツと日本、両者の協調性と個人主義の違いについて書こうと思います。
1)ルールはあるが、個人の意見も聞くドイツ
例えば、ドイツの幼稚園で「年長さんだけが遠足に行く」ことになった場合、どんなに年少さんが行きたいと言っても連れて行ってはくれません。
これはルールですよね。
しかし、その年長さんの中でどうしても遠足に行きたくない、という子がいた場合、先生はもちろん行くように説得をします。
が、同時に理由も聞きます。
その理由に先生が納得すれば、行かなくて構わないということも。
子供でもこうした個人の意見が尊重されることはしばしばです。
2)「係決め」に公平さを求める日本
子供が通った日本の園(民営化して変わった)や公立小学校では「必ず係は一人一役」「卒業までに必ず一度は役員」と言ったルールがありました。
これは「係に穴が開くのは困るから。大変なのはお互い様。みんな公平にやりましょう。」という理由からだと思いますが、こういったことはドイツにはありません。
ドイツも子供の行事には保護者の協力が不可欠ですが必ずヘルプが必要な場合、希望者を保護者会などで募ります。
それでも集まらない場合は、クラスの役員が「みんな、よく考えてください。本当にこのイベントがなくなっていいんですか?」と説得。
その結果、大抵何人かの手が挙がり、決定します。
あと、日本では役員のリーダーになっても、引き継ぎ事項を遂行するのみで、中身の改革を行うことは本当に難しいのですが、ドイツではリーダーになれば、基本そのリーダーにかなりの権限があるため、役員さんは結構やりたいことをやってます。
なので仕切り好きな人は結構立候補します。
3)我が家はみんなのもの!?のドイツ
古い建物が残るドイツの街並みはやはり美しいです。
しかしその美しい景観の維持はドイツ人の協調性なしには叶いません。
まず、景観が悪くなるから洗濯をベランダなどに干すのは禁止。
(一応見えないように干すのはOKなようです。。。)
さらに庭が荒れていると、隣人から「芝を刈って、木を切ってちゃんとメンテしなさい!」と怒られるそう。
そう、我が家の景観はみんなの景観なのです。
これは日本にはない、ドイツの協調性だと思います。
ちなみにドイツの家では夜でもカーテンをしないで丸見えの家が多いのですが、どこもとても美しい。
外から見えることを意識して部屋を飾っていたり(わざわざ窓枠に飾りを飾ったり)と、美しい景観作りを個人でもかなり意識しているようです。
ただ、犬のフンやタバコの吸い殻は至るところに落ちているドイツ。
こうした点ではあまり他人のことを考えてはいないようです。
日本では「みんな仲良く」が良しとされるように、ドイツでも「クラスの子と仲良くやる」という協調性はそれなりに大事です。
ですが、嫌なのに嫌と言わず、無理して周りと合わせるということはドイツでは全く美徳とされていません。
そこは個性の尊重ですね。
まだまだたくさんの違いがありますが、日本とドイツの「協調性&個人主義」の違い、少しでも感じてもらえたら嬉しいです。
ではまた次回!
Tschuss!(チュース:意味 バイバイ)
高橋ユウ
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