ハリウッドもびっくり、世界をリアルなSF映画にしてしまったコロナ騒動。
街中は多くの店舗が閉まり、人と話す際は2メートルのソーシャルディスタンスを。今までこんな時代が来るだなんて一体誰が想像できたでしょうか。
いや、実は今まで色々と衝撃的な事件や災害があったものの私たちは乗り越えてきただけで忘れているだけかもしれません。
日本においては地下鉄サリン事件、阪神淡路大震災、そして東日本大震災…と今まで本当に衝撃的な様々な災害や事件がありましたよね。
私ごとで恐縮ですが、今思い返すと私自身での常識がひっくり返ったような大きな変化は人生で3回ほどありました。まず大学進学を機に東京で新生活を始めた時。
田舎と都会の生活にギャップがありすぎて半年生理が止まったほどです(笑)。次に長男を出産し育児をスタートした時。育児が想像以上に大変でもう本当にこの世の終わりかと思いました。そして3回目はドイツ生活が始まった時。人生38年生きてての初めての海外生活は衝撃的でカルチャーショックという言葉の意味を本気で知った瞬間でもありました。
と、まあ人から見れば全然大したことなさそうな事柄ばかりですが、私にとっては当時今までの人生に別れを告げ、新しい人生を始めたぐらいの衝撃だったのです。
なので地球の上から見ている神的な存在から見れば今回の騒動を見て「何を今更。人類はこうした歴史の繰り返しじゃないか」と鼻で笑っているかもしれません。
とまあ、訳のわからないたとえになってしまいましたが、何が言いたいかというと、これからの時代において常識を疑い、変化を恐れないことは大事なのではということです。
これから地球も環境破壊が進み、それこそ経済か環境か、という時代がやってくるかもしれませんし、少子化が進んで夫婦共働きがほぼ100パーセントの時代がやってきて今のような働き方じゃ全く機能しなくなるかもしれません。
いつまでも同じことが永遠に続くわけじゃないんだ、という当たり前の感覚を今回久々に思い出した訳です。
しかし今回の騒動で思ったのはやはり日本は変化が苦手な国なんだなということです。
諸外国のコロナによる大惨事を目の当たりにしながらも、国もなかなか決断できないし、会社もリモートに切り替えられない。
こりゃライフワークバランスや女性の働きやすい社会なんて到底無理な訳だ、と妙に納得した訳です。
その点、ドイツはサクサクと重要事項を決定していき、会社もあっさりとリモートに切り替わりましたが、「え?こんなにサクサク決めて大丈夫!?」とこちらが不安になったほど。これはドイツと日本の明らかに大きな違いです。
が、その一方で日本人の潔癖さはすごいとも思いました。
ドイツは食事前に手を洗う習慣もないし、真っ黒な足(裸足)で子供が部屋を走り回ったりするのが普通の感覚の国です。
この清潔な日本人の生活習慣は確実にコロナ対策に自ずと役立っていると言えるでしょう。
各国のコロナ対策やその国の人々の様子を知れば知るほどコロナは人々の生活の違いを如実に浮き彫りにしました。私はドイツ、日本両者の生活習慣や文化的な考え方の違いが分かるので思うのですがやはり欧米と日本は全く生活や文化も違うのだなと。だからこそ少し悲しいのですが、両者が心から分かり合えるのはとても難しいことなんだと改めて思ったのです。
外遊びをしながらそのままりんごを食べてても「子供は抵抗力をつけることも大事!昭和っぽくていいじゃない!」とガハハと笑えるような心がないとドイツ社会で馴染むことはほぼ不可能ですし、日本人の清潔さを「潔癖で気持ち悪い」と思うようではそのドイツ人は日本人とは仲良くなれません。
最近は若者がますます海外に行かなくなってきたと聞きますが、ぜひ一度は海外生活を体験して欲しいなと思います。
これから日本の将来を担う若い人たちにはやはりカルチャーショックを受けて変化を恐れない心、違いをリスペクトする気持ちを知って欲しいなと。
もちろんコロナ騒動が落ち着いたらの話ですが。それまでなるべくポジティブな気持ちでStay homeですね。早く終息しますように!
ではまた次回。Bleibt gesund!(ブライプト ゲズンド!)
*「健康に気をつけて!」「健康をキープして」の意味。現在のドイツでの挨拶はコレです!
高橋ユウ
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