この連載を開始して、気がつけば5年半以上の月日が経ちました。ドイツの生活がすっかり気に入り、3年の滞在予定だったのを2年ほど伸ばし、なんだかこのままドイツに居ついて永遠にドイツでの生活を綴るのかと思っていた矢先、なんとこの度、本帰国が決まりましてこの春から日本での生活が再び始まることになりました。
来た当初は、ドイツの何もかもが新鮮過ぎて、何を書いてもネタになる!と大喜び(笑)。ドイツ生活でのカルチャーショックにとにかく驚き、ドイツで起こった驚きの事ばかりを書き連ねて伝えて参りましたが、面白いことにいつの間にか「日本ってこんなところが不思議すぎる…」と私の中で、逆転現象が起こり始めたのです。よってFacebookでの連載でも、多くの迷いが出てきました。ただドイツ人の感覚で書いても読んでくれる皆さんがついていけない。でも当たり前だと思っている日本の生活も海外から見たらこんなところがびっくりなんだよ、面白いよ、という気持ちも伝えてみたく思い、頭を悩ませながら書いてきたつもりです。
38歳で人生初めての海外暮らし、しかもドイツという日本と文化が大きくかけ離れた国での生活が私にとってチャレンジだったことは言うまでもありません。
ドイツ語はほぼ皆無、英語もほとんどままならない状態でやってきて、子供を現地の幼稚園、小学校に通わせる。外国人だからと子供にあまり引け目を感じさせたくなくて、現地での習い事をさせたり、イベントに参加させたり。誕生日会をしたり…。実は日本時代はあまり子育てに力を入れてなかった私でしたが、海外にいることで自分の中の母性が全開になってしまったようで自分の能力以上に色々と頑張ってしまいました。。。おかげで心身ともに疲れる日も多く、子供にイライラをぶつけてしまったことも多々あります。これは本当に反省。もう少し肩の力を抜けばよかったのかも知れません。本当に嫌というほど未熟な自分と向き合った5年半でもありました。
*ドイツに来て数日のアユとワタ。初めてのドイツソーセージ&ポテトに興奮。
そして子供らがどうなったかというと…2人ともかなりドイツ要素の入った子に育ってしまいました。
*2020年の夏。2人とも大きくなったな!
内弁慶で泣き虫だった長男アユ。日本人ベースに、いい感じでドイツ要素が加わっていい感じに逞しくなってくれたのですが、次男ワタは完全に中身がドイツ人に(笑)。そして2人とも日本語がちょっと怪しくなってしまいました。たかだか数年現地語を学んだくらいではキープできないし中途半端になってしまう、という考え方もありますが、言語を感覚で覚えることが身についたことは、彼らの財産であると感じています。(おかげで英語にもさほど抵抗がありません。)
これから子供らは再び日本の教育に戻ります。遅れを取り戻すのは大変でしょうし後悔することもあるかも知れません。それでも「ドイツ生活は楽しかったか?」と聞かれたら、どんな時でも間違いなくうちの家族は「Ja(はい)」と答えるでしょう。これだけで大成功だったのでは?と思いますし、大変なときもその気持ちを忘れないでおこうと思います。
というわけでこれにて一旦、ドイツでの生活を綴った連載は終わることにして、次回からは帰国してからの子育てを綴ろうと思います。日本での新生活、子供たちの帰国子女としての悩みなど、書きたいことが溢れてくることと思います。また時々はドイツにも行くと思うので、ドイツファンの人はぜひ楽しみにしててください。
今まで私の拙い子育て・ドイツ編を読んで頂きまして、本当にありがとうございました! そして来月からはまた新しい連載でお会いしましょう。
ではまた次回!Tschuss! (バイバイ!)
高橋ユウ
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