日本に本帰国してはや1ヶ月が経ちました。
一時帰国では決して気がつかなかったことも実際に生活し始めるといろんなことに気がつきます。
特に子供が学校に通い始めてからというもの、学校教育を通じて様々な違いにあらためて気がつきました。
日本では「集団の和」をうまく築くことが学校教育で重要な役割を担っているということ。
もちろんドイツ(に限りませんが)でも、学校は勉強だけでなく人間関係を学べる大切な場所であることに間違いありません。ただ、ドイツでは誰とでも付き合う必要はないし、皆と無理して付き合う必要性は全くないというスタンス。ですので個人の意見や考えなどが重視される訳ですが、当然ながら集団生活では問題がつきもの。問題が発生すれば両者間で話し合いを行い、交渉が行われ、最終的に合意に達すれは大成功。あくまで個人間での問題であってクラス全体にまで広げて行われることはほとんどありません。
一方、日本ではまずクラスが上手くいくように「学級目標」なるものを決めたり、あるいは学年目標なるものが定められたりもします。
子供が持ち帰る「学年だより」や「学級だより」などに目を通すと「学年」「学級」単位での「集団」をいかに重視しているかということがよくわかりました。
「自己を見つめ、 より良い学年集団を作ろう」「明るく楽しい学級を目指して」などの表現がプリントに頻出。日本にいた頃は何も疑問に感じなかった表現ですが、久々に見るとなかなか強烈です。
特に「自己を見つめ…」という文では、自分の成長の目的が「良い集団を作るために」と読み取れる内容な点に違和感を覚えました。体育祭や文化祭など皆で一体となって盛り上がる行事は私も大好きでしたが、不登校も多いと言われている日本の学校。あのプリントを見ている限り、和に入れないことにコンプレックスを感じてしまう子や、自分が和を乱しているのでは、と繊細に感じてしまう子には学校が苦しくなってしまうのも理解できるな、と。ただ最近の学校ではスクールカウンセラーの方もいるようなので少し安心しました。
部活や行事、恋愛や友人関係など、日本の中学校は楽しいこともたくさんあります。
特に部活や団体行事、制服なんかはドイツにはないので、漫画の影響で日本の青春に憧れをもつドイツの子達もいるほど。
ただ繊細な子だと、まともに色々受け取めてしまうととちょっとしんどいな、と感じさせる点も多い日本の中学校。
子供には、あまり型にハマらず、真剣に捉えすぎず、マイペースで日本の中学生活を楽しんでもらえたらなと思います。
ではまた次回!
Tschuss! (バイバイ、の意味)
高橋ユウ
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