本帰国して、はや2ヶ月が経ちました。
ドイツ語を話す機会もすっかり激減してしまいましたが、せっかくネイティブ並に身につけた子供たちのドイツ語力。
なんとか維持できないものかと悩みましたが、なんとかドイツ語の先生を見つけ出し、子供2人とも週に1回、個人レッスンでドイツ語を学ばせています。
しかしドイツ語の勉強は、日本での受験という面において、お役立ち度はほぼ皆無です。特に中学、高校受験においては。
当初は、折角の海外滞在だもの、帰国試験枠が使えるんじゃないの?と物凄く調べたのですが…ドイツ語で受けられるものは全国で本当に数校です。
日本の受験でいう「帰国子女」とはほとんどが「英語圏帰り、または海外でインターナショナルスクールor日本人学校に通っていた子達」を指すのです。
帰国子女入試制度を導入している学校は、実は増えているのだそう。それだけで国際的な印象を与えたり、学校全体の英語のレベルが上がったりとイメージが良くなるなど学校側のメリットも大きいので、海外滞在1年程度(日本人学校に滞在していてもOK)でも帰国子女枠の条件を満たす学校もあるらしい。
もちろん、我が家の場合も条件にはほとんど当てはまるので帰国入試枠を使っての受験は可能です。
ただ日本人学校枠で受けた場合は、日本の国数をしっかり学んできた日本人学校出身者には負け、現地校枠(英語)で受けると英語圏の子達には当然勝てないので、全くこの制度が有利にならないという。。。なので結局は普通に受験することになりそうです。
ドイツ滞在歴6年。しかも現地校。なのに帰国枠の枠にうまくハマらない。。。とほほ。
つまり日本語以外にもドイツ語、フランス語の話せるトリリンガルの子がいたとしても日本の受験ではほとんどその力は発揮できないわけです。が、英語がネイティブ並み(または英検2級レベル)があればそれはもう物凄い武器となります。
まあ、英語は絶対できたほうがいいとは思うんですが…折角「帰国入試制度」なるものがあるわけなので、トリリンガルなどの日本では稀有な存在の子や、真の国際人を受け入れるような幅があってもな~と感じた次第です。
とはいえ、実は我が家はそのこともある程度知った上で現地校に入れました。
「受験の枠で有利かどうか」は日本社会でうまく生きていくには役に立つかもしれないけど、そのために自分が形を合わせて生きていくことを選択して生きることは、今後の人生において果たしていいのか?と考えたためです。
ちなみに我が家のような家庭の場合、「非英語圏の帰国子女受験」なるキーワードで多くの情報をネット上で探すことができました。
そのいわゆる「非英語圏、現地校帰りの」親御さんたちもやはり非常に苦労しており、人によっては「現地語は捨てて、勉強を英語に切り替えた方がいい」と言う意見も結構目にしました。先述の通り、確かに英語を頑張るのは得策です。
ただ「捨てる」と言う言葉はちょっと強烈でした。日本の受験がいかにサバイバルなのかと考えさせられるものでした。
日本社会において受験を乗り越えることを重視するのであれば、日本人学校に行かせた方が良かったのかもしれません。しかし、人生という長い目でみると、ドイツの現地校で育んだ豊かな経験や知識も決して無駄ではない。人生を楽しくさせる要素であると感じています。
実は私自身が見事に受験に飲みこまれてしまったタイプなので、大学に入るとぽっかり穴が空いたようになってしまいました。ですので日本生活だからといって順応を重視するあまり今までのものをバッサリ切り捨てる飛び石のような人生ではなく、子供にはいろんなものを体の一部として吸収していき血となり肉となる人生を歩んでいって欲しいと思っているのです。
子供たちにとって役に立つかどうかわからないドイツ語ではありますが、親の目から見てここまで話せるのは1つの特技です。ですので細くでいいので、続けていこうと決めた次第でもあります。
とは言え「日本の受験を乗り切ること」は必須でもあるのでそのバランスが本当に難しい。我が家においての大きなテーマであり、挑戦でもあります。
まあそれも踏まえて私たちの「血や肉」となることを願いつつ。。。そんなことを贅肉だらけの体で考える日々です(笑)。
ではまた次回!
Tschuss! (バイバイ、の意味)
高橋ユウ
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