教育関係の記事を読んでいると必ず目にする「自己肯定感」。
「自己肯定感の高い子に育てる」とか「子どもの自己肯定感を高める」だとか。。。
しかし私の中で「自己肯定感」ってなんだろう、とずっと疑問でした。
「自分は素晴らしい」「自分には価値がある」という意味合いであることは分かっています。が、抽象的すぎてイマイチピンとこないのです。というのも私自身があまり自信のある人ではないので当然かもしれません。
そんなある日、取材で「放課後デイ」のスタッフさんとお話をする機会がありました。
(実は最近、取材仕事で「放課後デイ」によく足を運んでいます。放課後デイとは放課後デイサービスのこと。6~18歳までの障がいのあるお子さんが放課後や夏休みなどの長期休暇に利用できる福祉サービスなのですが、実際に伺うと普通に小学生や中学生のお子さんが放課後に通う「学童」とほぼ同じです。)
スタッフさんによると、彼らは他者とのコミュニケーションが苦手な場合が多く、自己肯定感が低くなりがち。なので人にカッコ悪い面を見せたくないから失敗を恐れ、やりたいことがあってもやらない、という選択をしてしまうことが多いのです。例えばゲームなどの小さなことでも。「誘ってもやりたくてもやれない、という子は多いのです。でもある日突然やりたがることもある。なので毎回ちゃんと「やる?」と聞くんですよ」とのこと。
それを聞いて目から鱗が落ちました。
「自己肯定感の低さ→トライする気持ちに蓋をしてしまう」という図式が自分の経験にもリンクしたからです。
というのも私、やりたいと思っているのに、自分に自信がなくてトライできなかったことが過去にたくさんありました。例えばドイツ語。自分の語学力に自信がなく、人にお願いすることが多かったのですが「あなたは十分話せるのよ!自信持って!」と何度言われたことか。。。絵の営業にしても「こんな大物アートディレクターが見てくれるわけないか」と諦めてしまったことも何度もあります。多分自分に自信があればとりあえずトライしてダメだったらダメだったで仕方ないね、とあっさり諦めて次に向かって頑張れたのでは、と思うのですが。。。
なので「ダメでもいいからとりあえず挑戦してみよう!」と思うことが増えてきたのなら、それは自己肯定感が上がってきた、と言えるのかもしれません。自己肯定感に関してはいろんな解釈があるとは思うのですが、私の中でこの解釈が一番腑に落ちたのです。
しかし自分の欲しい答えって突然出会えることもあるのですね。
人との出会いや繋がりで気づかせてくれることは本当に多く、改めて人は、他者という存在が必要なのだな、と思った次第です。
ではまた次回
Tschuss!(チュース:バイバイの意味)
高橋ユウ
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