ワールドカップが始まりました。
サッカーファンはもちろんのこと、特にファンでなくても久々に明るいニュースで楽しい気分になる!という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
では、日本以上にサッカーが国民的スポーツであるドイツではさぞかし盛り上がっているのでは!?と思われるかもしれませんが、実は今回はなかなか複雑です。
現在ドイツでは連日ニュースでもラジオでも、カタールでのワールドカップ開催への批判の報道が絶えません。
カタールの移民労働者への非人道的扱い、女性や性的少数者らへの差別に反対するという理由から、スポーツバーがテレビのスイッチを消したり、また大都市ではサッカーファンによるデモが行われていたりしています。
一方で日本での報道では全くと言っていいほど、開催国カタールに対するネガティブな報道は見られません。
こうした国による意識の違いは毎日ドイツの子どもニュースを見ていると日々感じます。
例えば先日の子どもニュースでは「カタール開催は何が問題なのか?」を分かりやすく伝え、熱狂的なサッカーファンであり、ゲイであるドイツ人男性がインタビューで登場。
マイノリティ差別に対する考えなどを語っていました。
また他にも「COP27(気候変動枠組み条約第27回締約国会議)が20日に閉幕し、芳しい結果が得られなかった理由、そしてなぜ全ての国がエネルギー資源削減に合意できないのかといった理由や原因などを伝えました。
しかし日本ではCOP27が開幕したことはネットニュースでも見ましたが、閉幕し、その結果についての報道はほとんど見当たらず。
ネット上で最初に見つけた記事はスイスのニュースを日本語に翻訳したものでした。
こうしてみると日本人は環境問題や人権問題などに対し関心が薄いことがよく分かります。
両国報道の内容の違いは面白くもありますが、色々と考えさせられる瞬間でもあるのです。
世界で日々起こる沢山のニュースや出来事。
しかしそれらは選定されたものだけが私たちに届けられます。
また同じニュースを見ても、国によって切り口が違います。
どの報道が正しいのか、という問題ではなく、英語や他言語でニュースを読めると様々な視点から物事を見ることができ、グッと視野が広がったような気がします。
ではまた次回
Tschuss!(チュース:バイバイの意味)
高橋ユウ
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