早いもので今年も残すところあと少し。我が家は受験生の長男アユがいるため、今年のクリスマスやお正月はのんびり…と言うわけにもいかなそうです。
またまた受験ネタになってしまいますが中学受験、高校受験ともに首都圏は年々加熱しているように感じます。
実際にアユをみていても、土日も塾、大量の宿題をこなす姿を見てちょっとこれ、大学受験の間違いなんじゃないの?と思うほどです。
中学受験も昔は4年冬からのスタートが一般的だったのに昨今では3年生冬からが一般的に。
このまま行くと小学1年生から塾に行くのが当たり前の時代が来るのではないでしょうか。
また、帰国子女は推薦があって楽でいいね、などと言われたのは昔の話。今では難関校に行くには、英検準1、できれば1級を。。。などと塾から言われていたりするのです。
さすがに英語圏から帰国とはいえ、あの難関な文章を理解できる子は相当なものです。
みなさん口を揃えて「ネイティブの小学生たちでもこんなんできないよね」と苦笑してしまうほど。
しかしなぜここまで競争が加熱してしまうのか。これは日本だけでなく、韓国や中国、台湾などの国でも同じ傾向があるのですが、東アジア諸国は「やればやるほど有利になる」という思想が強い気がします。そしてみんな頑張り屋さんなのでこなせてしまう人が結構いるのです。
ドイツにいると、合格するのに「100」必要だとしたら、最大にやって「100」です(笑)。というか70やればもう十分じゃない?という人が一般的。
良くも悪くも「必要以上にエネルギーを注がない」考えなのです。ドイツでは何か問題があると相手も折れない場合は交渉になるわけですが、お互いに少しでも労力もお金もかからない方法を取りがちです。
交渉は面倒ですが、後の作業は意外と簡単に済むことが多いのがドイツ流な気がします。
一方で日本では「多ければ多いほど確実、安心」という発想なので、「100」必要なら「150」やろうという人が出てきます。そのうち150やるのが当たり前になり、いつの間にか「200」が最低ラインになってしまうという。。。
また「多ければ多いほど」「確実なら確実なほどいい」という考えは願書など書類提出の際にもひしひしと感じます。
今回特に驚いたのが、アユの高校受験で、私立高校の調査書を学校側に書いてもらう際に、それぞれの私立高校が独自の調査書を用意していることです。
例えばクラスの生徒が、平均5校受けるとしたら先生は40人×5校=200枚!その200枚の調査書を担任の先生が1つ1つ手書きで書いて書かなければならないわけです。
その作業の多さから調査書の枚数制限をする学校や担任もいるそうなのですが、そこは首都圏の中学が私立高校とも話し合ってルールを作り「学校側が出す調査書」に学校印を押すだけでよくない?
と思うのです。そうすれば先生は調査書を1人あたり1枚だけ作ればいいだけで、あとは欲しい学校分の枚数を印刷してハンコを押すだけで済むわけですから。
特に受験の世界では驚くほど親子ともにやることが多く、「多ければ多いほど」「確実なら確実なほど」という考えは必要以上に作業量を増やし、個人の大切な時間を奪っているのではと改めて考えるきっかけとなりました。確かに受験で得ることもあるのですが、金額面でも負担がすごいのです。(まだ中学高校受験なのに!)こうした無駄を切り込んでいく勇気がないと加熱する受験戦争もなくならないのではないのかな?と思う私です。
というわけで、受験ネタが多く続いてしまった今年の記事ですが、今年もご覧いただきましてありがとうございました。
来年は長男アユも高校生になれる(ハズ)なのでまた違う切り口で帰国子女子育てをお伝えしたいと思います。
それでは素敵なクリスマス、年末をお過ごしください。
Ich wunsche Ihnen frohe Weihnachten und einen guten Rutsch ins neue Jahr!
高橋ユウ
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