1月末になりいよいよ長男アユの高校入試も近づいてきました。実は月末に2校ほど帰国枠入試を受けるアユ。面接が非常に重要な試験でもあるので、週1でオンラインの先生の面接特訓の授業を受けています。が、思った以上に進んでいないことがわかり、家庭でも見てあげることに。
帰国子女入試の面接というのは、就職の面接と同様に上辺だけでは通用しない世界です。
子どもなりに現地で自分が何を感じたか、学んだか、そして何が辛くて何に感動したか…など、そんな「自分の過去の畑」を掘り起こす作業をおこなった後に、質問に対して発言できるようにしなければなりません。
思春期真っ盛りのアユは当初は全く気乗りしなかったようなのですが、その作業は全てオンラインのお兄さん先生が行ってくださったので、私たちはそれを使ってアユと一緒に文章を構築する作業から入れました。あ~でもない、こ~でもないとお互いに言いながら、そして時に喧嘩をしながら想定問答を考え、アユが話し、それを私たちが聞くというスタイル。一般入試の勉強で忙しいからか、面接練習となるととにかく嫌々始めるのですが、話終わると、アユはいつもなぜか表情が晴れやかでびっくりするほどスッキリしているのです!(笑)
確かに自分の過去を振り返って辛かったことや楽しかった思い出を語り、それを高校でどう生かすかを考えたり、将来はこんな学部に行って、こんな仕事になりたいということまでをインプットしてそしてアウトプットするわけですから、それは確かにスッキリするかも!しっかりお腹から声も出すし。無制限で話も聞いてもらえるし。
面接の相談というより思春期外来のようです(笑)。
実際、悩みがあってセラピーに通っている友人に、そのクリニックで何をするのかと聞くと、「とにかく自分のことを話す」だけらしいのです。基本的にはセラピストはアドバイスをするのではなく、その人の毒を出すお手伝いをするだけで方向性を指し示すことなどは決してしないそう。
確かに私たちもアユの考えなどを引き出す手伝いが上手く行った時はお互いに満足感があるのに対し、こちらが余計な入れ知恵をしようとしたり、良かれと思っている意見を押し付けたりすると一気に対立が起きるのですが、そうした面もセラピーに似ています。
「押しつけず、促す」という行為がいかに根気と忍耐強さが必要で、難しいことなのかを思い知らされましたが、この面接練習を通して、アユの知らない一面をたくさん知ることもできたし、家族仲も以前より深まった気がします。
最近あまり色々と話してくれなかったのですが、面接練習によってこの1ヶ月でアユと1年分会話をした気分です。
「面接なんて~」とずっと思っていましたが、意外といい効果もあるんですね。
ということで、皆さんもお子さんの面接練習に付き合うときは、ついつい親の意見をごり押ししてしまうのですが、そこはグッと我慢して「引き出す」ことに集中することをお勧めします!親子共々い時間になりますよ。
プロではないので、受かるかどうかは保証できませんが…。
ではまた次回!
アユにも全国の受験生にも桜咲きますように!
Ich drucke euch die daumen! (ドイツ語で「がんばってね!」の意味)
高橋ユウ
<<<vol.22 | 特集TOPページ | vol.24>>> |