ジャングル大帝 進めレオ!DVD−BOX―本格的カラーTVアニメの続編―
解説:伊藤秀明/銀英社、原口正宏/リスト制作委員会
国産初の本格的なカラーTVアニメシリーズとして、虫プロダクションが送り出した意欲作『ジャングル大帝』。『ジャングル大帝 進めレオ!』は、その続編にあたる作品である。1966年10月5日から翌年3月29日まで、フジテレビ系で全26本が放映された。雄々しく成長した白い獅子レオが、愛するライヤと結婚し、ルネとルッキオの子どもを授かる。ジャングルに起こる数々の事件に立ち向かいながら、名実ともに“ジャングル大帝”となっていく姿を描いた物語だ。
原作は、「漫画少年」1950年11月号〜1954年4月号に連載された手塚治虫氏の代表作『ジャングル大帝』。『進めレオ!』は、この大河漫画の後半を下敷きにしている。最終話では、アレンジはされているものの、原作のクライマックスを映像化。その意味でも貴重な作品である。
『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』を通じて研鑽を重ねてきた虫プロスタッフの感性と表現技術はこの時期、ますます磨きがかかっていた。それは、キャラクターの複雑な内面に迫る“ドラマ”の深みと、大胆な構図やリズミカルなカットつなぎ、さまざまな撮影手法を駆使したスタイリッシュな“映像”の魅力となって結実した。山本暎一、林重行(りんたろう)、勝井千賀雄、瀬山義文、平田敏夫、永島慎二、北野英明といった若き演出家陣が『進めレオ!』を通じて生み出したエピソードの数々は、虫プロ全作品のなかでも頂点の一つと言える、珠玉のフイルムばかりだ。
だが、先進性は両刃の剣でもある。レオの少年期を描いた前作『ジャングル大帝』に比べ、『進めレオ!』は不幸にも、これまで正当に顧みられることがなかった。それは本作が、前作以上の営業的成功を目指しながら、裏番組の影響などで視聴率がふるわず、結局、全52本の予定が半分の26本で終了してしまったこととも無縁ではないだろう。
本DVD-BOXを機に、『進めレオ!』が多くの人々によって観賞され、再評価されることを期待してやまない。
本DVDボックスの特徴
本DVD-BOXは、本放映時の資料を探索調査し、判明した事実や発見された素材をもとに映像と解説書を作成した。提供会社名入りのオープニング2種(前期版と後期版)は、本放映時に極めて近い形で各DISCへの収録が実現。三洋電機及び関係諸氏のご協力とご厚意により、番組ラストに流されていたエンド・カットも映像特典化が叶った。また、貴重な“提供ノンテロップ版”オープニング、「こいでの『ジャングル大帝』かるた」の絵札と字札の全画像も、それぞれ特典に加えてある。
解説書には、各話の設定キャラ表や制作プロセス、「タイトル連絡票」から復元したクレジットリストなどを掲載。次週予告原稿も、現存するすべてを誌上採録した。さまざまな角度から、本作の魅力を味わっていただきたい。
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