女の子の喜怒哀楽を”ギュッ!”と詰め込んだ毎日キラキラ★クラシックライフ
“ステーキのロッシーニ風“
フランス料理によく出てくるこの「ロッシーニ」。 フォアグラとトリュフを用いた料理を示すといわれています。
そのロッシーニとは、イタリアオペラ界の巨匠。 華やか過ぎるほど華やかな作曲家、ロッシーニの恋バナとは?
フランス料理によく出てくるこの「ロッシーニ」。 フォアグラとトリュフを用いた料理を示すといわれています。
そのロッシーニとは、イタリアオペラ界の巨匠。 華やか過ぎるほど華やかな作曲家、ロッシーニの恋バナとは?
◆ロッシーニ〜“<嫁:舅>&<正妻:愛人>−人気絶大なエンターテイナーの悩みの種”
本名:ジョアキーノ・アントーニオ・ロッシーニ
出生地:イタリア ペーザロ
生年月日:1792年2月29日(うお座)
ロッシーニといえば、『セビリアの理髪師』や『ウイリアム・テル』などのオペラを作曲したことで有名。ベートヴェンやマーラーといったクラシックの作曲家は苦悩に満ちたイメージがしますが、ロッシーニに関しては軽快で明るいイメージがあります。そして、音楽家と同時に美食家でも有名ですね。
ヒット曲メーカーの彼が突然、グルメ界に転職(?)したのも興味深いことですが、イタリア人ならではの快活なラテン気質は、嫁と舅問題や正妻対愛人戦争を引き起こしてしまったようです!
《第一の結婚 イザベラ−7歳年上の姉さん女房》
18歳でオペラ《結婚手形》、その3年後に《タンクレーディ》、《アルジェのイタリア女》などをヒットさせ、23歳の頃にはナポリのサン・カルロ劇場の音楽監督に就任するなど、若い頃から出す曲出す曲がヒットして苦労しらずのロッシーニ。若いときは外見も目がクリっとして可愛らしく、性格も温厚だったようなので、次々と若く美しい女性が彼の周囲に群がっていたようです。
さて、彼がサン・カルロ劇場の音楽監督に就任すると、そこのソプラノ歌手である、イザベラ・コルブランと出会います。相当な実力を備えたイザベラのために、ロッシーニはたくさんのオペラ曲を書いてゆき、二人の仲もしだいに深まっていきました。そして、ロッシーニ30歳、イザベラ37歳のときに二人は結婚します。
結婚後もロッシーニの筆は勢いをとどまることを知らず、次々とヒット曲を飛ばして躍進していきますが、一方イザベラの方は歌手としてのピークに翳りが見え始め、プライドの高いイザベラはロッシーニや周りの親族を巻き込む形でわがままになっていきます。そして、結婚して7年めにはすっかり夫婦の仲は冷め切ってしまったそうです。
1830年にロッシーニは妻イザベラと自分の両親をボローニャに残して活動をパリに移します。この単身赴任の間に、ボローニャでは大変なことが…妻イザベラと父親が猛烈な大喧嘩状態になっていたのです(!)イザベラの我がままとお金の使いすぎで、父親が大激高。さらにこの父親がロッシーニに「イザベラを殺すか自分が死ぬかだ!」くらいの勢いのある手紙を何通も送ったことで、さすがにロッシーニも「これはまずい!」ということで、パリからボローニャへ戻ります。
《第二の結婚 オランプ−元妻との会食》
ロッシーニがパリで活躍しているその頃…彼は文豪・バルザックの愛人で高級娼婦だったオランプ・ペリシエと恋に落ちていたのでした。
嫁・舅戦争勃発で一旦ボローニャに戻ったロッシーニは、イザベラと離婚交渉をスタートさせます。
これがあっけなく受け入れられ、イザベラとロッシーニは離婚することになったのですが、馬鹿正直(?)なロッシーニは、パリで出会ったオランプのことをイザベラに話したといいます。すると、イザベラは「オランプに会いたい」と申し出、ロッシーニは「おぉ!ふたりともこの事実を受け入れてくれたんだ!」と喜んでこの三人の会食をセッティングしたといいます。
思うに、こういう場合の女性はまだロッシーニのことが好きだから相手のオランプが気になって会いたいといったのではないか、と…最後の意地という奴でしょうか…この会食では何事もなく無事終わったらしいのですが、ロッシーニがこの二人の女性の間であっけらかんとしていたことを思うと、思わず突っ込みたくなるのは私だけでしょうか(笑)
その後のオランプとの結婚生活は順調で、結婚後ミラノに新居を構え幸せな生活を送っていたようです。音楽と美食の日々をロッシーニが亡くなる76歳まで二人は楽しんだといわれています。
特に晩年になって毎週土曜日にはじめた「料理と音楽の夕べ」には、貴族や芸術家などが集まり最高の食材をふんだんに取り入れたお料理と、一流のピアニストや歌手を招いての音楽会を楽しんでいたようです。
今でいうなら、ヒットメーカー、スーパープロデューサーなロッシーニ。音楽、グルメと贅沢を極めた芸術家として絶大なカリスマ性をもって当時の社交界を席巻していた男性。ワーグナーとは性格も全く異なり、飄々としたイタリア男という風情ですが、音楽を、食を、そして人生そのものを楽しんでいく姿はたくましくも憧れの存在なのかもしれません。とはいうものの、嫁問題や愛人問題など、国や時代を超えていつもそこにある日常なんですね…
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