女の子の喜怒哀楽を”ギュッ!”と詰め込んだ毎日キラキラ★クラシックライフ
女性に人気のある作曲家といえば、ショパンかリストか!?
といわれるほど、モテモテでイケメンだったフランツ・リスト。
情熱的で理知的なリストの唯一の欠点は…やっぱり女性問題でした!
といわれるほど、モテモテでイケメンだったフランツ・リスト。
情熱的で理知的なリストの唯一の欠点は…やっぱり女性問題でした!
◆リスト〜“元恋人による暴露本、不思議な三角関係−女性たちを虜にしたスーパースター”
本名:フランツ・リスト
出生地:ハンガリー ライディング
生年月日:1811年10月22日(てんびん座)
最近、村上春樹の新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』が話題になっていますが、この「巡礼の年」というのは《第1年:スイス》《第2年:イタリア》《ヴェネツィアとナポリ(第2年補遺)》《第3年》の4集からなるフランツ・リストのピアノ独奏曲集のタイトルになります。 幼少のころから並外れたピアノ演奏のテクニックで人々の注目を集めた天賦の才能をもったリスト。 そんなリストの一生は女性とともにあり、数々のスキャンダルが…
《女性たちを狂喜させるスター性》
リストはクラシック史上もっとも美男子だったのではないかといわれるほどのルックス。長身で目鼻立ちはよく、ヘアスタイルもしなやかな長髪、そしてほっそりとした美しい指。さらにはファッションセンスも抜群。少々自己中心的な性格ではあったものの、外向的で人情に篤くチャリティー活動にも参加する・・・なんというイケメンでしょうか!
時は19世紀に入り、音楽が貴族や教会だけのものでなくなり一般市民も楽しめる環境が出来はじめてきました。市民を対象にするとなると、演奏会場もより大きなところ、音楽もより分かりやすくポピュラーなものに変化してくるのは自然の流れ。いわゆる「分かりやすい音楽」というのが受ける時代になったということですね。リストはより大衆が分かりやすいように、情熱的で超絶的な技巧を駆使し、多くの聴衆の耳に届きやすいようにピアノの音量も派手めにした表現を展開してゆきます。
また、演奏会ではピアノの前に座ると長い髪をかきあげ、演奏前に目を瞑り・・・そしておもむろにピアノを演奏し始めたかと思うと陶酔した趣きで情熱的にピアノを弾きあげる…演奏会にきている女性たちにとってこんなリストはたまったものではありません。あまりのかっこよさに、泣き叫び、失神する女性たち。
彼がわざとピアノの上に手袋を忘れて、それを奪いあう女性・・・そんな逸話もあるそうです!
今でいう、ロックスターのような存在で、彼に熱をあげるグルーピーは数知れず。常に女性たちがリストの周りにはいたそうです。
《二人のマリー》
女性にモテモテなリストでしたが、ピアニストのマリー・モーク、そしてマリー・ダグー伯爵夫人との関係は不思議なものでした。
マリー・モークはベルリオーズと婚約破棄の騒ぎを起こした非常に美しく恋多き女性。マリー・モークはその後とあるピアノ・メーカーの御曹司夫人となったのですが、リストと出会って不倫関係に。その関係は短いものではありましたが、二人が逢引に使った部屋というのがショパンの部屋だったのです!リストはショパンの部屋の鍵を預かっており、それを利用してしまったというわけです。ショパンは猛烈に怒りリストとは距離を置き始めます。ちなみに、このピアノ・メーカーの御曹司、つまりマリーの旦那さんとリストは友人同士だったのでした。リスト、恐るべしです。
それから3年後、もうひとりのマリー、マリー・ダグー夫人と出会うことになります。リストとマリー・ダグー夫人は出会った瞬間恋に落ち、駆け落ちしてしまったそうです。二人の間には子どももでき、そのうちの一人がワーグナーの妻になるコジマです。
マリー・ダグー夫人とリストが付き合っている間に、後のショパンの恋人になるジョルジュ・サンドが登場。実はこのサンド、同性愛者でもありマリー・ダグー夫人とも関係をもちつつ、リストとも関係をもっていたらしいのです。この三人は奇妙な三角関係ではありますが、案外仲良く三人で旅行に行ったり…普通では理解しづらいのですが、フリーダムな恋愛関係がそこにはあったようです。
そんな関係も4年ほどで終わったのですが、マリー・ダグー夫人はリストと別れた後、リストとの関係を暴露するような小説『ネリダ』を出版。スキャンダラスなリストの評判はますます高まっていったのではないでしょうか。
《最大の恋人・カロリーネとカトリック教会》
リストは女性にもてすぎたこともあり(?!)結局一生独身のままでしたが、結婚を考えた女性がひとりだけいました。それがカロリーネ・ヴィトケンシュタイン侯爵夫人です。 カロリーネはいままでリストが付き合ってきた、美しく恋多き女性とはちょっと異なり、敬謙なカトリック信徒だったようです。
リストは女性にモテまくっていながら、若い頃から聖職者になる憧れもあったようです。芸術家というものは内省することで作品を表現できるもの、と思うとそれも納得できる気がします。
そんなリストですので、カロリーネのような女性に惹かれたのでしょう。
カロリーネとリストは不倫関係になり、同棲をはじめました。カロリーネは早く離婚して不倫という状態から抜け出したかったようです。一緒に住み始めて10年後、どうにかこうにかヴィトケンシュタイン侯爵と離婚が成立か?!と思った矢先、相続絡みの嫌がらせが入り結局離婚ができないという状況になってしまいました。
カロリーヌもリストもこれをキッカケに、二人とも聖職者の道を進むことになります。
リストは神父の地位までたどりついたのですが、カロリーヌと正式に結ばれなかったショックのせいなのか、その後も相変わらず女性問題を起こしていたそうです。
才能もあってルックスも最高。女性にもてる男性なんだろうな、とは思っていましたが、リスト自身も女性が大好きな人だったようで、今回ここでご紹介した女性のほかにも危なっかしい逸話がたくさんありました。今回、リストの恋愛遍歴を追ってみてから改めてリストの曲を聴くと、「あぁ、女性たちが狂喜するのもわかるわかる!」と改めて激しく同意。しかし、芸術というのはこうした色合いがあればあるほど人を惹きつける力があるというものなのですね。
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